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2020年6月13日 南蔵王縦走路・刈田峠~不忘山
先週の禿岳に引き続き、今週も気になってたいた山に登ってきました。
蔵王の刈田峠から南蔵王縦走路を進み、前山、杉ヶ峰、屏風岳、南屏風を越え、不忘山を目指す「南蔵王縦走路」
本当は2019年に「蔵王連峰南北縦走」の予定を立てていたのですが、タイミングを逃してしまい延期。
ずっと計画を温めていたのですが、なかなかタイミングが来ない現状。
一気に縦走が出来ないのならと今回は予定していた縦走の半分の南蔵王を歩くことにしました。
蔵王は滝を見に行ったり、樹氷を見に行ったり、御釜を見に行ったり、刈田岳・熊野岳に登ったりと何度か足を運んでおりますが、今回の南蔵王は実は初。
蔵王の未知のエリアに今回足を踏み入れます。
百名山にも選ばれており、山頂の「御釜」は全国的にも有名。
冬はオオシラビソに過冷却水滴が吹き付けることによって出来る樹氷を見るために多くの観光客が訪れる。
YAMAP
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7:30 刈田リフト駐車場
6時半には登山をスタートしたかったのですが、駐車場に着いたのはきっちり一時間遅れの7時半。
午後から天気が崩れる予報だったので、早めに登って早めに帰って来る予定だったのですが、なぜこの時間なんだ…
しかも寝坊のせいで「南蔵王登山口」近くの駐車場は全滅。
車を走らせながら駐車場を探すも、結局「刈田リフト駐車場」まで移動してきてしまいました。
駐車場から登山口まで30分ほど歩く必要があるのですが、これは萎える…
全ては寝坊した私が悪いのですが出発前から「踏んだり蹴ったりだ」なんて考えていたら、ポツポツと水滴が降ってきました。
天気は悪いものの雲の下の空気は澄んでいるのか、遠くの山並みが見えます。
なぜ雨が降っているのか?
まずは登山道まで舗装路を30分歩きます。
歩いているうちに晴れてくれればいいのですが…
8:00 南蔵王登山口(刈田峠)
登山道に入りましたが、未だ雨は止まず…
少しずつ雨脚が強くなっている気がしますが、とりあえず前に進むことにしました。
強くなってきたら撤退することにしましょう。
道は前山の登りまでは石畳と木道が交互に繰り返されるかなり整備された登山道でした。
振り返ると刈田神社が空に浮いていました!!
刈田峠は雲の通り道になっているのか、刈田岳と杉ヶ峰を分断するかのように流れていきます。
さらに雨脚が強くなってきます。
撤退の判断をどこでするか迷います…
目の前の「前山」を登ってから考えましょうか。
前山と刈田岳の間を雲が横切っています。
雨は強くなったり、弱くなったり…
8:30 前山
前山(1,684m)に到着。
前山は一応ピークにはなっていますが、休むところもないのでささっと先に進んでしまいます。
小雨が体にまとわりついて体を冷やします。
前山(1,684m)から杉ヶ峰(1,745m)まで。
雨脚が強くなってきたのは気のせいではなかったようで、小雨から本降りに変わってきてしまいました。
気温は高いので低体温症の心配はありませんが、雨の登山は久々なので少し心配です。
刈田岳の雲が晴れました。
こう見ると蔵王のピークは本当に丸いですね。
大黒天の荒々しい岩壁も見えます。
8:50 杉ヶ峰
杉ヶ峰(1,745m)に到着!
ここで撤退の判断をするつもりだったのですが、ここでまさかの大雨。
これは撤退だ、とレインウェアを着込みます。
他も杉ヶ峰で引き返す方が多いように見えました。
と杉ヶ峰から登山口と逆方向に下る男が一人…
屏風岳と南屏風が目の前にそびえたっています。
道はかなり整備されているので雨の中でも苦も無く歩けます。
9:05 芝草平
南蔵王縦走路の顔の一つが湿原「芝草平」
イワカガミ、チングルマ、ワタスゲ、キンコウカなどの高山植物が咲き乱れる天空のお花畑。
毎年6月にチングルマは咲き始めるので、芝草平もチングルマ一色になっております。
雨にぬれるチングルマもこれはこれで美しいですね。
チングルマ、漢字で書くと「珍車」
芝草平のチングルマも見られたので、そろそろ撤収するかと思いましたが、
自然と足が不忘山に向かいます。
小雨の中、帰りたくないと駄々をこねているうちに少しずつ天候が回復してきました
屏風岳の稜線から眺める宮城側。
うっすらですが海と牡鹿半島も見えます。
登山道に雪は残ってはおりませんでしたが、登山道脇には少し残っているのが見えました。
9:50 屏風岳
屏風岳に到着。
山から帰った後に知ったのですが、標高1,817mの屏風岳は「宮城県最高峰」になるみたいです。
蔵王最高峰熊野岳が山形県なのは知っていたはずですが、ずっと熊野岳のイメージを持っていました。
屏風岳の山頂に立つと、しとしとと降り続いていた雨がやっと止んでくれました!
屏風岳の稜線から眺める飯豊山
大朝日岳と長井盆地
稜線からの絶景が美しい!
屏風岳から南屏風への稜線。
東西に視界が開けており南蔵王縦走路の中でも一番の絶景ルート。
ゆったりと稜線を歩いて行きます。
振り返ると杉ヶ峰と蔵王刈田岳・熊野岳、そして後ろにうっすらと見える月山!
雨に濡れたシャクナゲも美しい!
今まで登山道には全然顔を出さなかったシャクナゲがいきなり登場しました。
南蔵王縦走路はエリアによって咲いている花がカッチリと分けられているから面白いですね。
天候は小康状態から完全回復!
雨の気配もありません。
南屏風岳から不忘山への稜線歩きはゆっくりハクサンイチゲを楽しめますね!
10:40 南屏風岳
1,810m、南屏風岳登頂です。
屏風岳の稜線は蔵王山を麓から見た際にとても特徴的な稜線をしているので、ずっと前から歩いてみたいかったのですが、やっと歩くことができ気分が高揚しています。
ゆったりと歩け、景色も最高で、言うことがない稜線歩きでした。
南屏風岳で少し休憩し本日の折り返し地点の「不忘山」に向かいます!
とにかく絶景の稜線が待っていてくれました!
下りの勾配は少し急で、またサラサラの砂がいやらしくグリップを奪ってきて注意が必要ですが、それでも歩いていて楽しい稜線でした。
それにしても奥の不忘山の山頂もですが、人が多いですね~。
どこから出てきたのかっていうほど、一気に人気が出てきました。
不忘山山頂と最後の直登
ハクサンイチゲと不忘山。
ここで南蔵王を代表する高山植物「ハクザンイチゲ」が登場。
登山道を歩くと右に左にハクザンイチゲが咲いていて、カメラが休まる暇がありません。
高山植物の代表種で、中部地方以北から東北地方の亜高山帯から高山帯の湿った草原に生育する。花期は6 - 8月で、しばしば、雪渓が解けた跡に群生が見られる。白色の花弁に見えるのは萼片で5 - 7枚ある。萼片が緑色に変わった個体はミドリハクサンイチゲ f. viridis と呼ばれる。 by Wikipedia
今来た道を振り返ると南屏風と屏風岳が肩を並べて広がっていました!
本当に名前の通りの「屏風岳」
これはまた歩きたくなる稜線です。
11:20 不忘山
今日の目的地「不忘山」に到着しました!
標高1,705mと屏風岳に比べると100mほど低いですが、南蔵王の鋭鋒は山頂からの眺めも良く、気持ちのいい山頂でした。
おそらく白石スキー場からや硯石から登ってきた人もここで合流しているのか、山頂はかなりの登山客で賑わっていました。
あまり密なのはと、写真を撮った後はそそくさと端によってお昼休憩。
抜きつ抜かれつを繰り返したお兄さん方やお姉さんとお昼休憩。
次に登る山や今まで登った山などのことをお喋りしながらの休憩です。
30分ほどしっかり休んだ後、下山を開始します。
下山というか稜線を歩いて刈田峠まで戻るだけですが…
駐車場まであと9km…
12:00 下山開始
お兄さんたちは用事があるのか、先に稜線を歩いていってしまいました。
Good-By! またどこかの山で会いましょう!
帰りもハクサンイチゲを楽しみながらの下山!
お昼を過ぎると少しずつまた雲が出てきました…
また崩れる前に駐車場まで戻られればいいのですが…
少し速足で稜線を歩きます。
屏風岳の登山道があまりにもまっすぐ過ぎて撮った一枚です。
左に見えるオオシラビソも冬には樹氷になるのですかね?
樹氷は刈田岳や熊野岳の西側のイメージが強いのですが、南蔵王も立派な樹氷が見れそうですね。
アクセスが鬼ですが…
13:45 芝草平(帰路)
往路の芝草平は雲の中で、雨の中でした。
しかし帰路の芝草平は雲の上!まさに天上の花畑になっていました!
芝草平の木道終点のベンチで大休止!
絶景を眺めながら、15分ほど放心状態になっていました。
帰りたくないからって芝草平から動かないでいると、また天気が崩れてきてしまいました。
さすがにまずいと杉ヶ峰を登り、刈田峠を目指します。
前山を下り、そこから刈田峠までの登りが一番精神的にきつかったです…
15:00 南蔵王登山口(帰路)
長い長い片道8kmの縦走路の終わりです。
ですがここから駐車場まで舗装路を30分ほど歩きます。
これが、まあキツイ…
さっきまでの山道のキツさとは違うキツさがあります。
15:30 駐車場
ひいこら舗装路を歩き駐車場に到着。
これでこの日の全行程が終了しました。
おつかれさまでした!
今まで行こう行こうと思っていた南蔵王にやっと行くことが出来ました。
南蔵王の稜線歩き、花あり、湿地あり、展望最高のピークありの、絶景登山道でございました。
なんで今まで行ってなかったんだろうか、と後悔するほどです…
ちなみに次の週も不忘山に登ることになるのですが、それはまた次の記事で書こうと思います。
もうすっかり南蔵王に惚れてしまいました。
また来年のこの時期に花の縦走路を駆け抜けたいと思います。