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2020年7月23日 火焔滝・剣急滝
あこがれの「火焔滝」と「剣急滝」に行ってきました。
引っ越しも無事終了し、これでやっと滝に行けると思いましたが、長い長い梅雨のせいでまともに滝には行けておりませんでした…
SCWとにらめっこしながら晴れ間を見つけては山に登ることが精いっぱい。
水流近くを歩いたり、ヤブ漕ぎがあったりする滝には行けない期間が続きます。
さすがにせっかくの4連休はどこかの滝に行きたいと考え、SCWを閲覧していたら、山形の米沢方面はあまり崩れない予報。
これは行かねばなるまいと、滝仲間のTKOさんを誘ったところ二つ返事で了承をもらい、同行が決まりました。
4連休の初日は午後から少し天気が崩れそうだったので、午前中くらいには戻れる「火焔滝・剣急滝」に行き、
翌日には時間がかかりそうな「双竜峡の赤滝・黒滝」にアタックすることにしました。
ちなみに火焔滝は「ひのほえの滝」と読み、剣急滝は「けんざん滝」と読みます。
TKOさんに仙台で拾ってもらい、東北中央道で米沢に突入です。
ヒトコト滝MEMO
段々と流れる火焔滝と谷を割るような剣急滝が対比となっております。
火焔滝は大平温泉の上流を遡行し、剣急滝へはその火焔滝の登攀となります。
MOVIE
MAP
YAMAP
タイム
8:15 駐車場 ~ 8:35 大平温泉 ~ 8:45 最上川源流碑 ~ 9:00 火焔滝 ~ 9:50 火焔滝クライミング開始 ~ 10:25 火焔滝落口 ~ 10:32 剣急滝 ~ 11:42 大巻開始 ~ 12:56 登山道合流 ~ 13:10 駐車場到着
装備
・ハーネス・30mロープ1本・ハンマー・ハーケン・スリング・下降器・マイクロトラクション
・沢靴・ハードシェル
・撮影機材一式
8:15 駐車場
今回の滝旅で様々な難所がありましたが、大平温泉への道が最大の難所でした…
道が狭いとは聞いていましたが、普通車でも離合が不可能な道幅、急勾配の連続するヘアピンカーブ、まさに地獄でした。
TKOさんの神業ハイエース捌きで何とか駐車場まで到着しましたが、滝に行く前に精神がすり減ってしまいました…
米沢方面は少し雲がかかっているものの、そこまで崩れなさそうです。
温泉の駐車場の手前のスペースに車を停めて、大平温泉に向かいます。
温泉までは舗装路の九十九折りを下ります。
なかなかの斜度で、温泉入って汗を流した後にこの坂を登ることになるのは少しかわいそうですね…
8:45 最上川源流之碑
火焔滝の入渓は少し厄介で、大平温泉「滝見屋」さんの露天風呂が渓流沿いにあり、そのまま遡行してしまうと少し問題が発生してしまいます。
そのため死角になるところを歩いて行かなければなりません。
変な誤解もされたくないのでさっさと上流に。
上流に向かって岩を越えながら進んでいくと、火焔滝が見えてきました。
しかし振り返ると谷を上がってくるガスが見えます。
これは嫌な予感が…
さっきまで晴れていた火焔滝が一気にガスの中に…
このままだと写真撮影も、クライミングも出来ないのでガスが晴れるまでは待機です。
今日は火焔滝で撤退かなとあきらめていた時、一瞬でガスが抜けてくれました!!
9:00 火焔滝(ひのほえ)
・形状:段瀑
・水系:最上川水系
名前の由来は夕日が流身に当たり炎のように見えることから。
名前の読み方が特殊で「火焔滝」と書いて「ひのほえの滝」と読みます。
落口から流身を翻しながら段々と落ちてくる形状が特徴の名瀑です。
雨続きのせいか、水量は多く、ネットで見た写真より立派に見えます。
落差は50mほと、滝壺も幅広でスケールの大きい滝です。
左岸から一枚。
秋田のシャチヒネリ滝のようなヒネリで左岸から見ると顕著に見えますね。
遠くから見たら結構切り立っているように見えましたが、近づくと左岸の岩盤がステップのようになっており、ぬめりはあるものの登れそうです。
火焔滝の撮影も終わり、次は上流の剣急滝に向かいます。
剣急滝へ行くには尾根の展望台からの大巻か、火焔滝の直登のどちらかになります。
大巻は尾根まで戻るのが手間なので、火焔滝の直登ルートを選びました。
滝の流身の右壁がステップになっており楽に登れそうなので、そこから登り始めます。
上部は岩も大きく乗り越えるリスクが高そうなので、中段からブッシュにエスケープして滝の落ち口まで戻るようなルートを取りました。
10:15 登攀中
中段でブッシュに逃げます。
ただブッシュの方もかなりグズグズな土と抜けそうな灌木だったので気は休まりませんでした。
ゆっくり体重を乗っけながら進んでいきます。
落口まで登ってきました。
10:25 火焔滝落口
下部はしっかりとしたステップになっており、上部はブッシュに逃げることが出来るので事前情報より楽に登れたような気がします。
ただ中段で、少し岩から岩に乗り移るところでハーケンで確保を取りながら登ったところはございましたので、ハーネスとハーケン・ロープは持っていた方がいいかもしれません。
詳しくは後日動画で解説しようと思います。
滝を登ったら、剣急滝まではすぐです!
10:32 剣急滝(けんざん)
・形状:直瀑
・水系:最上川水系
火焔滝のすぐ上流に流れる剣急滝。
読み方は「けんざん滝」
隠れ滝なども呼ばれることもありますが、看板には読み方は同じで「剣巉滝」と書かれています。
火焔滝の上段と言っていいほど2つの滝は近いですが、直瀑と分岐瀑、形状が全く違く面白いですね。
岩盤が切り立っており滝壺は異様な雰囲気を放っていました。
赤褐色の岩盤が艶めかしいです。
光が谷に入らないので暗い印象になってしまうなー、と思っていたらなんと落口に光が!!
落口の岩盤に一条の光が差し込み、滝に命が吹き込まれました。
あと1~2時間したら流身にもう少し光が差し込みかもしれません。
もし、次行くことがあったら逆光の剣急滝も撮影してみたいですね。
11:42 大巻開始
持ってきた30mロープでは火焔滝の懸垂下降は難しいので、帰りは火焔滝を大巻して戻ります。
右岸に剣急滝の展望台から尾根を越えて滝前に下降できる巻道があるはずなので、その巻道を使って展望台まで戻ろうという魂胆です。
右岸にガレている場所があったので、そこから標高を上げ、トラバースを始めます。
灌木は多くあるものの、足場が悪くなかなか前に進みません…
標高を上げたり下げたりしながら、少しずつですが着実に進んでいきます。
傾斜の緩い尾根に乗りましたが、展望台の姿は見えず…
GPSを見ると登山道がすぐ下を通っているのでそっちに進んでみることに。
12:56 登山道合流
降れそうな気もしましたが、一応安全確保のためにロープを出して登山道に下降。
無事戻ってきました。
展望台はおそらくもっと下の方だったのでしょう。
大きく巻き過ぎたようです。
13:10 駐車場到着
巻の途中で少し雨がパラパラと降ったりもしましたが、何とか天気も持ちこたえてくれました。
この後は米沢まで下り、温泉に入り次の日の「双竜峡の赤滝・黒滝」に備えます。
本格的な滝巡りが久々でちょっと心配でしたが何とか無事に戻ることが出来ました。
段瀑の火焔滝、直瀑の剣急滝。
対照的な2つの滝は想像以上に美しく、本当に満足度の高い1日になりました。
温泉の後は、米沢に1泊し、早朝に出発。
「双竜峡」に向かいました。
続きます…