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2022年3月5日~6日 日光白根山
白根山
金精山の南西、群馬県との境にある溶岩円頂丘の火山で、日光火山中の最高峰。標高二五七七・八メートル。東の前白根山(二三七三メートル)に対し奥白根山、また群馬県の草津白根山に対し日光白根山ともよばれる。前白根山と五色山(二三七九メートル)との間に五色沼、北の群馬県側の座禅山(二三一七メートル)との間には弥陀ヶ池がある。男体山の奥院ともいわれ(日光山志)、日光修験の補陀洛夏峰の修行地。「堂社建立記」には本地は十一面観音で、山頂に「魔海・仏海」という二湖があると記され、また山腹には大八葉だいはちようという夏峰の宿の旧跡と彼走宿という旧跡があるとも記す。「日光山志」には前白根山頂の雪は盛夏も消えず、谷の雪は六月頃まで残り、白根山は樹木の生えない石山で、「実に霊山にして、岩間所々に苦桃と称するもののみ一面に生ひ茂り」と記される。前白根山頂には前白根山神社(祭神味耜高彦根命)、白根山山頂には奥白根神社(祭神大己貴命)が祀られている。慶安二年(一六四九)八月七日白根山が噴火して山頂に新火口ができ、古くから祀られていた石宮は火口に落下した。こののち日光山座主の命によって、武州鋳物師椎名山城作の唐銅の社殿が建立されたという(日光山志・堂社建立記)。なお明治六年(一八七三)にも降灰があったという。山一帯には高山植物が多く、シラネアオイ、シラネニンジン、ガンコウランなどが群生する。登山道は湯元ゆもとからの白根沢しらねざわ道・中ッ曾根なかつそね道、金精峠からの五色山・弥陀ヶ池を通る道、群馬県側菅すが沼(現利根郡片品村)から弥陀ヶ池を通る道などがある。
"しらねさん【白根山】栃木県:日光市", 日本歴史地名大系, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-03-27)
日の差す時間も長くなり、冬山シーズンが終わりつつある。
山に降り積もった雪も緩んでしまう前にどこかの山で雪洞泊をしようじゃないかと計画を立て、選ばれたのが「日光白根山」。
日光エリアで最高峰のピークを目指し、途中雪洞泊で夜を越す。一泊二日の行程だ。
厳冬の白根山を目指し日光宇都宮道を走る。
行程
- 09:50 日光湯元北駐車場
- 10:00 日光湯元温泉スキー場
- 10:45 ゲレンデトップから登山開始
- 13:00 外山から前白根山へ
- 13:27 日光白根山遠望
- 13:40 前白根山
- 14:14 五色沼避難小屋
- 14:30 雪洞堀り開始
- 翌日・その後
YAMAP・ログ
前白根山 雪洞泊と爆風の末、撤退 / kuzumisawaさんの前白根山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
装備
・スノーシュー・ストック・ピッケル・12本アイゼン
・ハードシェル・ソフトシェル・ダウンジャケット
・水3L・行動食・夜食
・撮影装備一式
・スコップ
・マット・寝袋・シュラフカバー
日光前白根山
09:50 日光湯元北駐車場
1日目のスタートは少し遅く、10時前のスタート。
この日は前白根山を下った避難小屋付近で雪洞泊をする予定だ。
日光湯元の駐車場を出発しスキー場へ向かう。
10:00 日光湯元温泉スキー場
温泉スキー場のゲレンデトップまで600円を払いリフトを2回乗り継いで移動。
雲一つ無いドピーカンの雪山だ。風も弱く登山日和だが、午後から風が強くなるのが不安だ。
10:45 ゲレンデトップから登山開始
2つ目のリフトを降り、ようやく登山開始だ。
今回のルートは湯元登山口から登山道をトレースするルートになる。
道迷いはないが、歯ごたえはそこそこあり、スタートから高低差500mの急登を登らされる。
日差しも強くかなりの汗をかいてしまった。時折吹く涼風が気持ち良い。
13:00 外山から前白根山へ
外山の肩部から前白根まではひたすら尾根歩き。
山の緑も見えなくなってゆき、雪山らしくなってきた。
雪質はかるく締まっており、せっかく担いだスノーシューは要らないようだ。
13:27 日光白根山遠望
前白根山手前で一気に展望が開けた。主峰白根山の溶岩ドームが見えてきた。
有史以来、大きな爆発を繰り返している白根山ならではの絶景だ。
明日はあの左に見える急登を登ってゆく。
13:40 前白根山
前白根山に到着。ここから避難小屋までは目と鼻の先だ。
前白根の山頂付近で風が強くなってきた。
風で飛ばされているのか、雪も少なく地面が露出しており、歩きづらいことこの上ない…。
それでも景色は絶景の一言。
白根山の溶岩円頂丘が近くなってきた。
14:14 五色沼避難小屋
前白根山の尾根から谷に下り「五色沼避難小屋」に到着した。
本日の行程はここまで。風は弱く、日差しも気持ちがいい。
少しの時間、雪の上に大の字になり空を眺める。
さあ、雪洞泊の開始だ。
14:30 雪洞堀り開始
今回雪洞を掘るのが初めてな3人。とりあえず雪が深そうな斜面に当たりを付けて掘ってゆく。
2方向から堀り、何とか2時間くらいで形になった。
雪洞堀りで全身が濡れてしまったのは予想外。こんなに濡れるとは思っていなかった。
結局、大人3人がなんとか寝れるくらいの大きさにはなった。(足は延ばしきれない)
雪洞の中は暖かく気温は0℃を下回らなかった。
風はいよいよ強くなり、雪洞の中にいると風の強さは分からないが、外にトイレに行くのも一苦労だ。
上州朝日岳の夜を思い出す。
夜は飯を作り、明日用の水を作り、翌日の為に早めに床に着いた。
明日には風が弱まっているように祈りながら就寝。
翌日・その後
起床は日の出前。少しずつ雪洞の外が明るくなってきている。
雪洞の中は穏やかなもので、何度か寒さで起きたが雪山とは全く思えないほど快適だった。
さあ、今日は日光白根山のピークハントだ。と気合を入れ、外に出ようとするも入り口が雪で埋まってしまっている。
夜の暴風雪で埋まったのかと雪をどかして外に出てみると、外界は嘘のような地吹雪が吹きすさぶ地獄が展開されていた。
どうやら雪洞の中にいたので気づけなかったが、夜の風は日が明けても相も変わらず強さを維持していたようだ。
さすがにこんな天気で山頂を目指せるわけもなく撤退する方針を決める。
しかし撤退を決めても下山できるのか?
この地点で体がもっていかれるような風なら前白根の稜線は間違いなく歩けないだろう。
風が弱くなるのを待つしかない…。
9時まで雪洞の中で待機するも風が弱まっている様子はない。
雪洞の中で待機を続けるのは入り口の除雪が手間になるので、五色沼避難小屋に退避しそこで様子を見ることにした。
吹雪の中を進み避難小屋まで。避難小屋の気温はマイナス10度を下回る極寒の世界だ。
寒さは自宅の貧乏アパートで慣れているつもりだったが、この寒さは骨身にこたえる。
カメラのバッテリーも放電してしまい無駄な重りになってしまった。そのためここからの写真はない。
体を震わせながら寝袋に体を捻じ込み、小屋を叩く風の音を聞きながら横になる。
風が弱まる気配はない。今日中の下山は無理かもしれない。
12時過ぎ。風が弱まった。
しかし稜線を歩けるほど弱くなったかと言われれば微妙だ。
ひとまずこのチャンスに小屋から尾根まで移動してみて、下れそうなら下るという判断になった。
小屋から尾根までの急登は腰までの新雪に埋もれ、思ったように進まない。
やっとのことで稜線に辿り着いたがやはり風が強い。
しかし歩けないほどではない。耐風姿勢を取りながら一歩ずつ進んでゆく。
前白根山の手前が一番酷く、全く進めない時間もあった。
風が弱くなったタイミングを見計らって、前白根山まで戻ることが出来た。
前白根からは風も弱くなりそこからは順調に下れた。
スキー場に辿り着き、地吹雪の中、無人のスキー場を進み、車まで戻った。これで今回の山行は終了。
思いのほかハード山行になってしまった。
下山後、日光で入った温泉の暖かさは忘れない。
そしてガストで食べたミックスグリルの味も忘れない。
LOQの水準が著しく下がった二日間だった。