Table of Contents
鳥海山と七高山
山形と秋田に跨る標高2,239mの百名山、「鳥海山」。
独立峰であり、その整った山容から「出羽富士」や「庄内富士」とも呼ばれる。
5年前くらいに一度「鉾立口」から登頂したことがあるが、あの時の山行は自分の中でも一等特別なモノになっていました。
またあの鳥海山を見たいとの思いがフツフツと湧きだし、居ても立っても居られず秋田に向かいます。
今回は矢島口から七高山を経由し鳥海山の新山を目指す。
ヒトコト山MEMO
標高は2,239mと東北で2番目に高い標高を誇る。
登山口から森林限界を越え、美しい展望が広がる登山道を歩くことが出来る。
古くから山岳信仰が篤く、修験の修行の場としても知られている。
行程
ログ・YAMAP
灼熱の鳥海山 矢島口ピストン / kuzumisawaさんの鳥海山・七高山(山形県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
装備
ハードシェル・登山靴
水2.5L・行動食
撮影装備一式
2021年7月31日 鳥海山と七高山
7:21 矢島登山口
早朝3時に家を出発し、全て下道で秋田の矢島まで走る。
もう少し早い時間に着くかと思っていたが、登山口を出発出来たのが7時20分。
すでに太陽は登り始め、登山の用意をしているだけで軽く汗ばんでしまった。
7:25 竜ヶ原湿原
天気は予想通りの弩級の快晴!
七高山と鳥海山新山もしっかり並んで見えている。
竜ヶ原湿原の気持ちのイイ木道を歩きながら、今日の登山が最高な山行になることを確信した。
石段の急登を登り、祓川神社の脇を通り抜ける。
登山客は鉾立口よりは多くないようだ。
雲一つない青空が鳥海山越しに見える。
景色がいいのは喜ばしいことだが、常に山頂が見えているのは精神的にキツイ…
このところどころ見えている雪渓を繋ぎながら標高を上げてゆく。
7:58 賽の河原
登山道の先から冷気を感じ、ふっと顔を上げてみると山肌を覆う雪渓が広がっていた。
灼熱の鳥海山に現れたオアシスのようだ。
雪渓から放たれる冷気を浴び、少し体の熱が取れた。
下りはあった方が楽かもしれない
雪渓、急登、雪渓、急登が繰り返される。
山裾に視線を落とすと、少し雲も出てきているようだ。
ここからは山頂まで雲との闘いになる。
8:50 七ツ釜滝
康ケルンを越え七ツ釜滝までやってきた。
滝の上段以外はまだ雪渓の中らしい。
この8月にもなろうかという時期でもかなりの雪渓が残っているのは、さすが豪雪地帯と言ったところか。
上流はゴルジュのようになっていた。
山頂に向かうにつれて、岩場が目立つようになってきた。
枯れ沢の脇をすり抜けるように先に進む。
等高線の間隔も狭まってきた、これからが最後の踏ん張りどころか。
最後の雪渓を抜け、七高山の山頂に向かう。
雲もゆっくりと上がってきており、七高山の山頂にも達してしまった。
山頂まで続く石畳をゆっくりと歩きながら、山頂でホワイトアウトしないように祈りながら進む。
10:50 七高山
2時間半で七高山の山頂に到着。
照り付ける太陽のせいかなかなかペースが上がらず、思ったよりも時間がかかってしまった。
鳥海の外輪山の一つである「七高山」、山頂から新山が目の前に現れるはずだが…
谷を挟んだ対岸に鳥海山主峰の新山がガスの中から現れた。
今までの緑豊かな鳥海山とはまた違った一面を見せてくれる。
ここから最後の岩登りが始まる。
新山アタックのために外輪山を下る。
千蛇谷を囲うように連なる外輪山、いつまでも残る雪渓、御室小屋もしっかりと見える。
蟻のように動く人影が自然の雄大さを強調する。
雪渓を越え、山頂までの最後の岩登り。
両手両足を使わされる岩場はアスレチックじみていて、暑さを忘れて童心に帰ることが出来た。
前もこんなところを登ったなと5年前の記憶を思い出しながら進む。
遂に山頂が見えてきた。
11:30 鳥海山山頂・新山
2,236m、ついに鳥海山最高峰新山に登頂した。
灼熱のような登山だったが、美しい景色に助けられながら無事登頂できた。
山頂では「講」の方々がいらっしゃり、山に祈りを捧げていた。
帰りは御室小屋で休憩をしてから降ることにした。
せっかくなので切通しを通る。
12:00 御室小屋
御室小屋はかなりの賑わいだ。私はコンビニで買ってきたパンを食べていたが、同行者は売店でカップ麺を購入、うまそうに食べていた…。
あれは美味そうだった…
千蛇谷から登って来る雲を眺めながらの小休憩。
まだこの時間でも御室小屋へ登って来る人は多いようだ。
下山のために七高山まで登り返す。
必ずまた来よう
13:00 康新道
復路は往路で使わなかった「康新道」を使う。
せっかくなので違うルートも歩いてみようと突入していったわけだが、分岐してすぐ後悔することになった。
道は荒れて不明瞭、日陰も水場もない…。灼熱の鳥海を歩くなら雪渓のある往路のルートを取ればよかった…。
ただ景色は絶景の一言。鳥海の雄大な山麓、日本海の美しさ、そして遠くには男鹿半島。
景色の美しさに体を押されなんとか歩みを進めてゆく。
傾斜も緩んできたところで後ろを振り返ってみると、七高山と鳥海山が肩を並べるように聳え立っている。
最後の最後で鳥海からお土産をもらったような気持ちになった。
さっきまでの文句もこの景色を見たら、おつりがくるレベルだ。
その後、七ツ釜手前でルートに合流。
火照った体を雪渓から流れる雪解け水で冷やしながら矢島口へ下る。
軽い熱中症になりつつ、なんとか竜ヶ原湿原までたどり着いた。
16:10 矢島口下山
這う這うの体で下山完了。
結局七高山からの下りだけでも登りと同じくらい時間がかかってしまった。
車に到着してすぐ駐車場に横になる男が一人。
本来はこの後「法体の滝」でキャンプをしようと準備していたのだが、この体たらくではキャンプできる気力もない。
この日はそのまま大人しく仙台に帰って、家で寝ることになった。
天気ももってくれて絶景を楽しむことが出来た鳥海山。
うだるような暑さには目をつぶってしまえば、最高の山行でした。
前回は鉾立口から、今回は矢島口。次回はどこから登ろうかと今からワクワクしております。
是非また登りたい山の一つですね。