背戸峨廊とトッカケの滝 ~福島県・いわき市~

 

背戸峨廊

 

いわき市

県南東端の海岸部に位置し、東は太平洋、北は双葉郡広野町・楢葉町・川内村、西は田村郡滝根町・小野町、石川郡平田村、東白川郡古殿町・鮫川村、南は茨城県北茨城市に接する。西の阿武隈高地から太平洋に向かって、北から仁井田川・夏井川・藤原川・鮫川などがほぼ東流し、その周辺に耕地・集落が連なり、東西を結ぶ交通路ともなっている。海岸線に沿い南北に通る国道六号、ほぼそれに並行するJR常磐線、夏井川に沿って北西に走る国道三九九号、平田村を抜けて郡山市に至るJR磐越東線が基幹交通路で、そのほかに国道四九号、勿来なこそから東白川郡塙町を結ぶ国道二八九号がある。なお常磐自動車道がいわき中央インターチェンジまで開通しており、水戸・東京との時間的距離が短縮された。江戸時代には菊多郡・磐前郡・磐城郡と楢葉郡の南半部であった。菊多郡・磐前郡・磐城郡と楢葉郡の一部は明治二九年(一八九六)合併して石城郡となり、楢葉郡は同年標葉郡と合併して双葉郡となる。昭和四一年(一九六六)勿来市・磐城市・常磐市・内郷市・平市と石城郡田人村・遠野町・好間村・三和村・小川町・四倉町・川前村、双葉郡久之浜町・大久村の五市四町五村が合併していわき市が成立。市としては全国で一番広い面積をもつ。

"いわきし【いわき市】福島県", 日本歴史地名大系, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2024-04-07)

 

2024年、今年の沢初めは東北の南国「いわき市」の背戸峨廊となった。

例年に比べ寡雪に終わった冬は、あまり雪山にもいかずに終わった。

いつもならば10回ほどは東北周辺の雪山を歩き回るのだが、今年は2~3回程度。

雪山の代わりに岩場には行っていたので、全く動いていなかったわけではないが例年に比べれば体は鈍っているだろう。

 

そんな中、あまりにも早い沢初めのお誘いを受けた。

ポムチムから福島県いわき市の背戸峨廊での沢登りの提案だ。

どうやら昨年、谷川の西黒沢で出会った宮城の沢ヤ「mooree」さんからのお誘いらしい。

後輩Hとどこかの沢に行こうかなどと話していたため、これは渡りに船とその誘いに乗ることにした。

 

背戸峨廊。

以前、滝目的で訪問しようとしていたが、台風の影響で登山道が崩壊し訪瀑することが叶わなかった。

沢登りもできるようになった今、ようやく背戸峨廊の滝々を訪瀑することができる。

 

※トッカケの滝までは登山道が整備されておりますが、それ以降は損壊しております。

 

行程

 

ログ・YAMAP

背戸峨廊 沢登り / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

装備

ハードシェル・沢靴(ラバー)

水1.5L・行動食

ハーネス・ガチャ類・ロープ

 

2024年3月31日 背戸峨廊

09:00 背戸峨廊駐車場

 

今回のパーティーはポムチムと後輩H、団栗林さん、そしてmooreeさんの5人パーティーだ。

初対面同士が何組かいる新造パーティーになる。

集合時間は9時、ゆっくり回っても5時間もかからないはずなので、遅めの集合だ。

常磐道を走り、いわき市にたどり着き、背戸峨廊へ。

 

 

水の透明度と冷たさにまず驚かされた。

沢の中がどこまでも見通せるほどの透明度、さすが音に聞こえた背戸峨廊だ。

いつか登山道が復活して多くの観光客がまた足を運ぶようになってほしい。

背戸峨廊の渓谷美を楽しむが、冷たさには耐えられない。

沢に足を入れると、体の許容値を超えた冷たさが襲い掛かってくる。

冷たいというより、もはや痛い。

パーティーの全員が叫びながら沢を進んでいく。

 

09:30 トッカケの滝

DATA

形状:直瀑
落差:10m
水系:夏井川水系

 

背戸峨廊、一本目の滝「トッカケの滝」に辿り着いた。

「トッカケ」はこの地方の方言で、とっかかり、一番最初の意味。

落差は10mほどだが、雪水も混じっているのか水量が多く、見ごたえがある。

平水だともう少し穏やかな滝のようだ。

 

左岸のテラスまで登り、そこからロープを出した。

必要はあまりなかったが、シーズン初めから怪我もしたくないので慎重に登る。

極寒の流身を顔に受けながら登りきる。

 

 

トッカケの滝を登りきると「釜ん淵 下の滝」が出てくる。

見事なくの字を描きながら瀑水が轟いている。

この滝は右岸から。

背戸峨廊の滝はどの滝もガバが多く、楽にホールドを選ぶことができる。

もう少し水が少なければ初心者を連れてくるのもいいかもしれない。

 

10:45 片鞍の滝

DATA

形状:分岐瀑
落差:10m
水系:夏井川水系

 

片鞍の滝が現れた。

名前はおそらく馬具の鞍からだろう。

ちなみに背戸峨廊の滝の名前は郷土の詩人「草野心平」に名づけられている。

 

水量が多く難しいように見えたが、右岸からでも左岸からでも登れる。

私は右岸を選んだ。綺麗にガバがつながっているので、見た目より楽に登れた。

 

 

草野心平

詩人。明治36年5月12日、福島県石城 (いわき) 郡上小川村(現いわき市)に生まれる。慶応義塾大学普通部を中退し、1921年(大正10)中国広東 (カントン) に渡り、嶺南 (れいなん) 大学に学んだ。在学中、兄民平の遺稿などに触発されて詩作を始め、25年、黄瀛 (こうえい) らと謄写刷りの詩誌『銅鑼 (どら) 』を創刊したが、排日英運動激化のため、同年帰国した。28年(昭和3)詩誌『学校』を、また35年には逸見猶吉 (へんみゆうきち) らと詩誌『歴程』を創刊、『歴程』は現在も刊行され、現代詩の一大潮流となっている。この間、40年に南京 (ナンキン) 政府の宣伝部顧問として中国に渡り、46年(昭和21)帰国した。詩は、初期の生命力の賛美や庶民のアナキスティックな生活意識への共感の表現から、しだいに無限の時空間への志向を強め、さらに原始的空間を背景とする幻想的実存感覚の表現へと転じたが、65、66年以降、現実性を強めている。詩集『第百階級』(1928)、『母岩』(1935)、『蛙 (かえる) 』(1938)、『絶景』(1940)、『富士山』(1943)、『定本蛙』(1948)、『日本沙漠 (さばく) 』(1948)、『第四の蛙』(1964)、『マンモスの牙 (きば) 』(1966)、『こわれたオルガン』(1968)など。また宮沢賢治、高村光太郎、村山槐多 (かいた) 、八木重吉らの全集や詩集の編纂 (へんさん) に携わり、評伝や回想も多い。75年芸術院会員、87年文化勲章受章。昭和63年11月12日没。

"草野心平", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2024-04-09)

 

 

そのあとも滝は続々と現れる。

程よい間隔で滝が出てくるので全く飽きがこない良渓。

優雅な斜瀑は「龍門の滝」。

日の当たる岩の上で体を温めながら休憩をする。

 

11:02 龍の寝床

次に出てきたのが「龍の寝床」と名付けられた分岐瀑。

この滝で一番シャワーを被ってしまった。

流身の左を登って行ったが、極寒の沢水に体の熱を奪われてしまった。

左岸から楽に巻けそうだったので、直登する必要は全くない。

 

 

鹿の子の滝が現れた。

この滝はバンドを左から右に流身横断して登りたいが、今日は水量が多く横断は無理そうだ。

他のルートも考えてみたが、もう面倒なんで梯子を使って巻くことに。

この滝が背戸峨廊唯一の巻きになった。

 

12:14 三連の滝

DATA

形状:直瀑
落差:25m
水系:夏井川水系

 

背戸峨廊の最後に出てくるのが、この三連の滝。

流身が太く、宮城の秋保大滝を思い出す豪快さだ。

この滝も登れるはずだが、水量が多いのともう帰るか感も出ていたので、ここから登山道に入ることにした。

背戸峨廊、いい沢だった。

 

 

帰路は登山道を使って駐車場まで戻る。

荒れ果てた道を想像していたが、しっかり踏み跡は残っており歩きやすかった。

三連の滝を大きく巻いたところで、更に先に続く道がある。

「猿峨廊」だ。

背戸峨廊の先にある猿峨廊は、こんなところ猿じゃないと降りれないと草野心平が言ったことから名づけられたそうだ。

枯草にさえぎられてあまり見えないがかなりのゴルジュ地形になっている。

猿峨廊は次来るときの楽しみにしておきたい。

 

13:34 背戸峨廊駐車場

 

早回りコースを使い、滝から1時間弱で駐車場に戻ってきた。

沢の寒さとは対照的に山道は暑くてたまらない。

このいわき市は20度近くあったようだ。

もう春を通り過ぎて夏まで来たのかと思った。

 

今回の沢は新造パーティーだが、かなり楽しく登らせてもらった。

またこのメンバーでどこか行きたいが、ポムチムも後輩も少し宮城を離れるので先になるだろう。

「団栗林さん」、「mooreeさん」もありがとうございました。

 

背戸峨廊、この時期から沢登りできるのも素晴らしいが、渓谷としてもかなり美しかった。

沢水の透明度、現れる滝、どれも素晴らしい。

1週5時間弱とかなりコンパクトなので、もっと早めに入渓すれば午前中には戻れるだろう。

毎年の沢初めは背戸峨廊でもいいかもしれない。

滝は「釜ん淵 下の滝」と「片鞍の滝」が自分好みだった。

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

 

 

 

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