岩屋谷雌滝・雄滝 ~奈良県・上北山村~ 水晶沢ルート

 

岩屋谷大滝

 

上北山村

奈良県南東部、吉野郡にある林業村。東の大台ヶ原山地と西の大峰山脈の間を南流する北山川上流域を占め、村域の南東部は吉野熊野国立公園域である。「北山」は熊野地方北方の山里をさす地方名といわれる。集落は国道169号(東熊野街道)沿いの北山川谷底に散在し、中央部の河合が中心集落である。169号から国道309号が分かれ、村域の南部を国道425号が通じる。主産業は素材生産で、特産品に栃餅 (とちもち) 、コンニャクがあり、アマゴの養殖も行われている。大台ヶ原山はドライブウェー開通によって観光地として開かれ、和佐又 (わさまた) 山はスキー場や夏の林間学校に利用される。河合には上北山温泉、また東部に坂本ダムがある。仏経 (ぶっきょう) 岳原始林、水分 (みくまり) 神社のシシンラン群落は国指定天然記念物。面積274.22平方キロメートル、人口444(2020)。

"上北山(村)", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-05-14)

 

今年のGWはどこへ行こうか。

去年は百名瀑巡りを目的に紀伊半島に入り大台ヶ原の七ツ釜滝大峰の双門の滝を訪瀑した。

また紀伊半島というのも芸がないので、ポムチムの誘いに導かれ九州沢登りの旅を予定していた。

しかし私が九州入りできるタイミングの予報がどんどんどんどん悪くなってゆく。

結局、前入りできるポムチムは天気が崩れるまで九州入りし、私は九州行きの飛行機をキャンセルすることになった。

さて、どうしようか

 

ポムチムの九州沢旅の記事はこちらから

 

九州の美渓「祝子川」は行きたかったが、次の機会を楽しみにしておこう。

せっかくのGWの予定が全て白紙になってしまった。

ふと、あることを思い出す。

以前、芦名沢大滝の訪瀑時にご一緒した鷹さんから紀伊半島の岩屋谷大滝に誘われていたんだった。

ダメもとでいきなり参加できるか聞いたところ、快い返事をもらえた。

2年連続になったがGWの行先は紀伊半島。岩屋谷大滝となった。

 

行程

 

ログ・YAMAP

岩屋谷大滝 ピストン / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

装備

ハードシェル・沢靴(ラバー)

水1.5L・行動食

ハーネス・ガチャ類・ロープ(30m1本 )

撮影装備一式

MOVIE

 

2023年5月4日 岩屋谷大滝

04:56 不動七重の滝

 

吉野熊野国立公園

紀伊半島南東部、奈良、和歌山、三重の3県にまたがる国立公園。1936年(昭和11)の指定。その後、潮岬 (しおのみさき) などが追加指定された。陸域面積597.93平方キロメートル。紀伊半島の脊梁 (せきりょう) 部をなす紀伊山地の一部である吉野山、大峰 (おおみね) 連峰、大台ヶ原 (おおだいがはら) 山などの山岳地と、半島東岸の熊野灘 (なだ) 沿岸地域、さらにその両方を結ぶ熊野川沿岸に大別される。

大峰山脈の北端を占める吉野山は、南朝の史跡や金峯山 (きんぷせん) 寺など古社寺が多く、桜の名所でもある。その南には山上 (さんじょう) ヶ岳、大普賢 (だいふげん) 岳、八剣山 (はっけんざん) など近畿の屋根といわれる高峰が連なり、修験道 (しゅげんどう) の行場として知られる。大峰山脈の東側を走る台高 (だいこう) 山脈の主峰大台ヶ原山は高原状の山で、その東縁には宮川の上流で深いV字谷をなす大杉谷 (おおすぎだに) の峡谷がある。熊野灘沿岸は、約20キロメートルにわたって単調な隆起海岸の続く七里御浜 (しちりみはま) のほかは出入りの多いリアス式海岸で、鬼ヶ城、紀ノ松島、橋杭岩 (はしぐいいわ) 、潮岬などの景勝地が点在する。熊野川の支流北山川には特別名勝・天然記念物の瀞 (どろ) 八丁がある。このほか熊野川流域には熊野三山の新宮の熊野速玉 (はやたま) 大社と熊野本宮大社があり、那智 (なち) 山には熊野那智大社と那智滝、青岸渡 (せいがんと) 寺などがある。海岸線を紀勢本線、国道42号が走るほか、吉野山へは近畿日本鉄道吉野線、ロープウェー、大台ヶ原山へはドライブウェー、瀞峡へは志古 (しこ) (新宮市熊野川町日足 (ひたり) )からジェット船の便がある。

"吉野熊野国立公園", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-05-14)

 

5月2日、GW前日。仕事を終わらせ、ハスラーに乗り込み暗闇の中、東北道を南下し紀伊半島へ向かう。

途中仮眠を取るも、すっかり寝過ごしてしまい太陽はしっかり顔を出していた。

案の定、GWの渋滞に巻き込まれ、紀伊半島で一息付けたのは夕方の16時過ぎ。

岩屋谷近辺の道の駅で就寝し、翌日に備える。

予想通り、八王子JCTで大渋滞…

 

朝、5時。不動七重の滝で集合。

ここで鷹さんと合流。今日のメンバーは他に「かっさーさん」「おでんさん」「Mさん」の計5人のグループになる。

早々に自己紹介を終わらせ、車を林道奥の駐車場に移す。

 

05:38 駐車スペース

さすがGW。駐車場が車が多く、停めるのもやっとだった。

準備を整え入渓するも…。

水晶沢の位置を勘違いしており、1本北の沢に入ってしまうところだった。

沢をさらに下降しようとするも、水量も多くリスクが高いように思える。

遠回りだが、もう一度林道まで上がり正規の入渓点を目指すことにした。

やってしまった…。これで1時間はロスしたように思える。

 

07:21 入渓ポイント

今回の水晶沢ルートでの正規の入渓点はここからになる。

落石注意の看板の隣にはピンクテープが結ばれている木が一本。

水晶沢はすぐそこだ。

 

07:29 水晶沢

極寒というほどではないが、暖まっていない体に朝の冷えた沢水は堪える。

水晶沢は序盤だけ水の浸かるとこもあるが、基本はゴーロ沢で特に難所もない。

 

本流を詰めていくと右手にゴーロが目立つ枯れ沢が出てくる。

今回のルートはこの枯れ沢を詰め、尾根に出て、逆側の岩屋谷に下るルートを狙っている。

序盤は単なるゴーロだが、上部は悪めのザレになっていて、かなり足を取られるルートだった。

木を掴みながら尾根を目指す。

 

876m手前のコルに辿り着いた。ここからは尾根を伝い小峠山の破線ルートを目指す。

藪は薄く快適に歩くことが出来た。

 

10:42 下降ポイント

小峠山の破線ルートに合流し、さらに先を目指す。

右手の岩屋谷を覗き、下降点を探しながら進む。

1108m地点手前の傾斜が緩くなった尾根から下りられそうだ。

周りを見渡すとピンクテープもある。ここで間違いはなさそうだ。

 

尾根にはピンクテープが付いており、雄滝まではつなげてくれているとのこと。

しかし、まず最初に向かいたい雌滝への道はこちらで探さなくてならない。

標高950mあたりで右手に下れそうな斜面を見つけ、ここを下ってみる。

 

岩屋谷への下降時のGPS

 

少し先を見ると、雌滝の横顔が。どうやらここで合っているようだ。

ルンゼを下ってゆくと雌滝のすぐ真横に出た。

ルートは不明慮だったが無事辿り着くことが出来た

 

 

この飛沫を浴びて滝前に出なければ雌滝と対面することは叶わない。

照った体にはちょうどいい。

滝の飛沫が気持ちいい!!

 

 

12:00 岩屋谷雌滝

DATA

落差:70m
形状:分岐瀑
水系:熊野川水系

 

滝壺にいる人と比べて貰えばその大きさは伝わるだろうか。

落差は70mほどだが、確実にその数字より大きく感じる。

この大きさでこの水量、そして滝壺まで近寄ることができ裏見も出来る滝は他にまあ無いだろう。

名瀑の多い紀伊半島でも1級品の名瀑だろう。

こういう滝と出会えるから滝巡りはやめられない。

この後、雄滝も訪瀑したが自分は雌滝の方が断然好みでした

 

ルンゼ側から光が差し込み神々しさを増している。

 

風に煽られながら流身が変えてゆく。

 

雌滝の次はいよいよ雄滝だ。

ルンゼを登り返し、分岐に戻る。

その後はテープを追いながら雌滝の上流を目指す。

雄滝が見えてきた

 

13:55 岩屋谷雄滝

DATA

落差:130m(100mとも)
形状:分岐瀑
水系:熊野川

 

雌滝の上流に流れる雄滝。

落差は130mとされることが多いが、100mともされている。

雌滝とはまた形状が違い、お手本のように流身を広げる分岐瀑だ。

紀伊半島の巨瀑らしい名瀑だ。

 

太陽が傾き始めてきた。

そろそろ尾根に戻ろう。

雄滝と雌滝、どちらも素晴らしい名瀑でした

 

 

帰路は往路と同じ水晶沢ルートを使った。

ザレ場の下りがどうなることかと思ったが、ザレごと滑るように高速に降りることができ、かなり時間のショートカットになった。

本流まで戻り、暗くなる前に前鬼川まで戻ることが出来た。

 

18:00 脱渓

6時に無事脱渓。

1kmほど舗装路を歩き車に戻った。

風呂には入りたいので急ぎ用意をし、きなりの湯に向かう。

 

きなりの湯

 

きなりの湯で汗を流し2023年GWの一日目が終了した。

岩屋谷大滝、インターネットで何度かその姿を見たことはあったが、実際に対面したらその大きさに驚いた。

雄滝は分岐瀑として日本の代表する1本だと思う。

また雌滝はあれほどの規模・水量で裏見が出来る滝はまあ他にはないだろう。

どちらも素晴らしい1本だった。

この2本だけでも紀伊半島まで来た甲斐があった

 

翌日は南紀の美渓「栂谷」だ。

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

 

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