Table of Contents
早戸大滝
まだ未訪瀑の東日本の百名瀑がある。
神奈川県丹沢山地に流れる早戸大滝だ。
2019年の台風の影響で早戸川林道が崩壊しており、以前は林道終点まで車で入ることが出来ていたが、現在では終点まで2時間の林道歩きが必要になっている。
以前は秘瀑と言えるほどの滝ではないが、台風の影響で人が入らなくなり、少しずつ忘れられて行ってしまっているこの現状を見ると秘瀑はこうやって生まれていくのかと思ってしまう。
そんな秘瀑になりかけている滝と出会うために、仙台から車で丹沢山地の宮ヶ瀬湖に向かった。
ヒトコト滝MEMO
昔は林道終点まで車で入ることが出来、そこから1時間半で滝前まで行くことが出来た。
2019年の台風の影響で早戸川林道が崩壊し、林道終点まで2時間ほど歩かなければならない。
滝自体は流身が左壁に隠されている姿が特徴的。
また下段は一部跳ね滝になっている。
丹沢を代表する一本である。
行程
- 6:50 早戸川林道口
- 7:10 ゲート
- 7:25 大崩壊地
- 8:30 二俣の先に砂防ダム
- 8:47 林道終点
- 9:00 営林小屋
- 9:30 早戸川
- 10:37 早戸大滝 遠望
- 10:43 早戸大滝
- 14:20 下山 早戸大滝口
ログ・YAMAP
早戸大滝ピストン / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
装備
・ハードシェル・ソフトシェル
・水2L・行動食
・撮影装備一式
・MTB
MOVIE
2021年4月10日 早戸大滝
6:50 早戸川林道口
仙台を深夜0時に出発し、休憩をはさみつつ6時に早戸川林道口に到着。
やはり日帰りで行ける山域は丹沢が限界だ。
今回は登山口からゲートまでショートカットするためにMTBを持参した。
組み立ての時間をゲートまでの距離を考えたら、あまりショートカットの意味はなかったかもしれないが、ハスラーでも29erのMTBを積載できることが分かっただけでも持ってきた甲斐はあったかもしれない。
7:10 ゲート
MTBでゲートまで移動。
「一般車両通行止め」「1.0km先歩行者含め通行止め」の文字が。
1.0km先はよく写真で見る完全破壊された舗装路の区間だろうか。
とりあえず先に向かう。
2019年10月の台風の影響で発生した土砂崩れがそのままの形で残されている。
林道終点まで数えきれない数の土砂を越えていく。
7:25 大崩壊地
よく写真で見る大崩壊地まで来た。
それにしてもどうしてこうなったのか、舗装工事に詳しくない自分には見当もつかない。
ガードレールを使って端をヘツリながら進む人もいるみたいだが、ガードレールの土台もかなり劣化が進んでいるらしいので、一度沢に降りてまた林道に復帰した。
ひたすら舗装された林道を歩く。
ところどころ土砂崩れが発生しているので、岩を乗り越え、倒木を乗り越え、電柱を潜り抜け進んで往く。
このまま林道が開通しなければこの早戸大滝も人々から忘れ去られてしまうのだろうか。
8:30 二俣の先に砂防ダム
丹沢観光センター跡を越えると舗装路も終了し、砂利道の林道が始まる。
砂防ダムの左岸を抜けてさらに先へ。
8:47 林道終点
林道終点に到着。
以前はここまで車で来れたらしい。
ガードレール脇から下へ降りる道と、まっすぐ進み橋を渡る道と、右手のピンクテープを辿り橋の上流を渡渉する道に分かれている。
とりあえずピンクテープを辿るが、おそらく正解だったようだ。
9:00 営林小屋
急斜面を登り尾根に乗ると営林小屋が見えてきた。
完全に廃屋になっており、中で休もうかと思ったがいつ崩れるかも分からないので離れた岩の上で小休止。
ここから先は早戸川に降りるまでは気の抜けない区間が続くので、ここで休憩を取っておく。
営林小屋から河原までは足場のない斜面に無理やり通したかのような道を歩いてゆく。
ところどころいつ壊れてもおかしくないような丸太橋が出現する。
橋に体重をかける訳にもいかず、かといってトラロープにかける訳にもいかず、慎重にゆっくりゆっくり進んでゆく。
9:30 早戸川
シブいヘツリも終わり早戸川の左岸で一休み。
ここから何度か渡渉を繰り返しながら上流へ進み大滝沢へ向かう。
水量も思ったほどは多くなかったが、さすがにまだ春先、沢の水は足を突き刺すように冷たい。
大滝沢から早戸大滝への分岐が見えてきた。
沢の手前にトラロープが掛かっているので、これを使い尾根に登る。
片道3時間半、ようやっと早戸大滝に出会うことが出来た。
10:37 早戸大滝 遠望
尾根から早戸大滝を眺める。
落口に光が当たり、飛沫の一粒一粒まではっきり見える。
流身は左壁の岩盤に隠され、滝壺に流れ落ちてゆく。
尾根をさらに少し登り、斜度が緩そうなところから滝壺までトラバース。
10:43 早戸大滝
形状:段瀑/ヒョングリ滝
水系:相模川水系
なんといっても早戸大滝といえば左壁の岩盤に隠れる流身だろう。
落口から岩盤に隠れるように流れ落ち、最後は跳ね滝となり滝壺に落ちる。
一目見ただけで「早戸大滝」だとわかる造形だ。
奥ゆかしくも、岩体を断ち割るような力強さも感じる名瀑である。
岩体に隠れる姿は神々しさまで感じる。
古くは信仰の対象となっており、雨乞いも行われていたそうだ。
下段のヒョングリ部分は美しくスプーン状に広がっている。
寂地峡五竜滝の登竜の滝を思い出す。
一時間ほど滝前で撮影。
滝前は日陰になっており、滝からの飛沫を浴び続けての撮影はかなり厳しかった。
低体温症になる前に尾根まで戻り下山。
14:20 下山 早戸大滝口
今回はピストンで登山口まで登ってきた。
ゲートでMTBを回収し全行程終了。
思ったより早く下山出来たなと思っていたら、雷滝に寄るのをすっかり忘れていた。
あと5年くらいはこのままだろうけど