新高ルンゼと御神楽滝 ~新潟県・阿賀町~ 錦秋のスラブ登り

 

新高ルンゼ

 

御神楽岳

新潟県東部、福島県境東蒲原郡阿賀町 (あがまち) にある山。標高1386メートルで東蒲 (とうかん) の最高峰。山体は第三紀中新世の鹿瀬層群を抜いた斜長流紋岩からなり、壮年期的侵食を受けた東北型山岳美を誇る男性的な山である。古くから只見川上流、南会津地方の山岳信仰の霊山として仰がれ、ブナの原生林に覆われた修験道場として知られた。現在は豊富な森林資源を生かした開発が進み、観光の山として力が注がれている。

[山崎久雄]

"御神楽岳", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-01-01)

 

滝巡りから沢登りへ。そして今回は初のスラブ登りに挑戦した。

ポム氏が毎年企画している紅葉のスラブ登り会。

今年は新潟の新高ルンゼを狙うということで連れて行ってもらえることになった。

傾斜は緩く難所はないとのことだが、それでも初めてのスラブ登りは緊張する。

 

御神楽沢から湯沢の頭まで一気に突き上げるように伸びる広大な新高ルンゼを登る。

 

 

 

スラブ

登山で、一枚岩のこと。また、比較的傾斜の緩いなめらかな岩場。

"スラブ【slab】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-01-01)

 

行程

 

ログ・YAMAP

御神楽岳・新高スラブ / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

装備

ハードシェル・沢靴(ラバー)

水1.5L・行動食

ハーネス・ガチャ類・ロープ(30m1本 )

撮影装備一式

YOUTUBE

 

2022年11月3日 御神楽沢~新高ルンゼ

05:00 蝉ヶ平登山口

津川ICを降り、常浪川を見下ろしながら走っていると広谷川との合流が見えてきた。

まだ日は登らず、辺りは暗いまま。広谷川と並走するように伸びる林道を車のライトを頼りに進む。

道は少々荒れており、ぬかるみが目立つ。林道の終点「蝉ヶ平登山口」に到着した。

車を停め、準備を始める。今回はポム氏とたな氏、NKZWさんとWAKAさんの計5人のパーティーだ。

薄暗がりのなか今度はヘッデンの光を頼りに進む。

 

 

06:30 広谷川入渓

湯沢との合流点から広谷川に入渓する。

もう11月。水の冷たさに怯えていたが、入ってみるとそれほどではない。このまま脛あたりまでしか浸からないのならば問題はないだろう。

序盤は難所もなく、広谷川の美しさを楽しみながら進んでゆく。

 

 

空には太陽も登り、少し肌寒いものの秋日和と言っていいだろう。

明るくなるにつれ紅葉も光り輝いてきた。

進行方向には異様な渓相のラクダの窓沢見える。

下部はまだまだだが、上部はしっかりと色づいている。

 

さらに進むと景色が開けてきた。

奥に見える岩峰の威圧感がすさまじい。

紅葉も目に痛いくらいに輝いており、あまりの美しさにザックからミラーレスを取り出した。

河原に腰を下ろしながら、絶景を眺めながら小休憩。塩の効いたおにぎりが染みる。

先に見えるのはム沢出合の12m滝だろうか。

 

07:48 御神楽沢入渓

御神楽沢に入渓。御神楽沢を使って新高ルンゼの基部までアプローチする。

難所という難所はないが、嫌なポイントは2~3はあったように思う。

少々の緊張感を保ちながら先に進む。

 

07:53 御神楽滝

 

DATA

落差:30m
形状:直瀑
水系:阿賀野川水系

御神楽岳の御神楽沢の御神楽滝。1丁目1番地1のような並びだ。

水量は少なかったが、落差は十分。御神楽沢では一番の大きさの滝だ。

滝は左岸から高巻。高度もあるので注意が必要。

落口から少し進んだポイントから懸垂で沢に戻った。

 

 

御神楽滝を越えると沢は徐々に姿を変えた。難しくはないが完全に沢登りチックな登攀になる。

11月、水温は低い。水流からは逃れられず上半身はズブヌレ。

脛までしか浸からない沢と言っていたのは誰だったか…。

 

09:22 新高ルンゼ

御神楽沢の支流から新高ルンゼの基部に辿り着く。

ふっと顔を上げると紅葉に彩られた広いスラブが見えてきた。

あれが新高ルンゼか。

一層テンションも上がり、さっそく新高ルンゼに突入する。

 

 

新高ルンゼでひと時はまさに夢心地だった。

青空の下、広大で美しいスラブは視界の先まで続いていて終わりが見えない。

傾斜も緩く、手を使わずに登れるため、写真撮影が捗る。

皆、各々の選んだルートで登ってゆく。最高の遊び場だった。

 

このスラブが終わってしまわないようにゆっくりゆっくり登った。

稜線が近づいてくるのが嫌で、傾斜の緩いところで大休止。

我々の声しか聞こえない大スラブのなかで日向ぼっこをする最高のひと時だった。

 

夢のようなひと時も終わってしまいスラブを後にする。

 

御神楽岳の奥壁が視界に飛び込んできた。

2022年ここも登ろうかと計画を立てていたのが流れてしまったので、2023年は是非チャレンジしてみたい。

それにしても御神楽岳。イケメンな山だ。

 

12:16 湯沢の頭

 

湯沢の頭で一般登山道に復帰。楽しかった山行も終わりが近づいてきた。

ここからは栄太郎新道で湯沢の出合まで一気に下る。

他の4人は何度も歩いた慣れた道だが、私は初めての栄太郎新道。

一般登山道の中ではかなり険しいことで知られる登山道だ。

一歩一歩慎重に下る。

 

このようなリッジを何度か越えるも、最近の沢登りで高度感には多少耐性が付いたのでスタスタ下る。

 

15:30 蝉ヶ平登山口

 

湯沢の出合まで下り、そこからは往路と同じ道を使い蝉ヶ平登山口まで戻り山行終了。

自分は仕事の夜当番があったので、ここでメンバーと分かれて仙台まで戻る。

 

人生初のスラブ登りだったが、一番初めに最高のスラブを引いてしまったかもしれない。

来年もどこかのスラブに行きたいと思うほどには嵌ってしまった。

2022年最後の山行は沢と滝とスラブと紅葉を一度に楽しめる欲張り登山で〆ることができた。

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

 

 

 

 

 

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