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2022年2月12日 山形神室岳
笹谷峠
川崎町と山形市の境にあり、標高九〇六メートル。北の神室岳(一二五三メートル)の支峰と南の雁戸山(一四八四・六メートル)の鞍部にあたる。江戸時代は笹谷街道(現国道二八六号)が通り、陸羽境の当峠を越えて両国を結んだ。東の笹谷宿、西の関根宿(現山形市)まで各々一里半(仙台領遠見記)。峠付近は八丁平とよばれる平坦地で、南東には有耶無耶関があったと伝える。(中略)江戸時代初頭当峠越は陸羽の主要連絡路として利用され、秋田藩重臣梅津政景の日記によると、慶長一九年から寛永七年(一六三〇)に及ぶ十数度の江戸往来はほとんど当峠越であった(梅津政景日記)。しかし明暦二年(一六五六)金山峠の改修によって、七ヶ宿街道(羽州街道)が出羽諸大名の参勤交代路として定着すると、出羽村山(現山形県)―仙台間の局地的連絡路と化し、やがて北方の二口峠越にその優位を譲ることになる。しかし当峠越は山形―仙台間を結ぶ最短路の一つとして、仙台方面へ運ばれる上方物資の主要ルートであり続けた。(中略)峠北方の神室岳は、古くは仙人(神仙)岳ともよばれ(「観蹟聞老志」など)、岩肌の目立つ奇峰のため多くの人の目をひいた。南面の沢は仙人沢といい、「封内風土記」に「大滝。高十六丈許、土人呼之曰仙人大滝」「不動瀑布。在仙人沢、高三丈余」と記す滝もかかり、景観に優れた渓谷として知られる。
"ささやとうげ【笹谷峠】宮城県:柴田郡/川崎町/今宿村", 日本歴史地名大系, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-03-21)
前日の登山記事
白神岳登山を終え仙台に戻った我々は北蔵王のさらに北、「二口山塊」を選んだ。
白神岳登山には間に合わなかったT氏も合流し、合計4名での山行になった。
山形神室は最上神室とも呼ばれ、稜線の美しい高山植物の群生で有名な山だ。
このルートは夏に仙人沢から稜線に出て仙台神室~山形神室~大関山と歩いたことはあるが、冬期の登山は今回が初めて。
展望の良い稜線に美しい雪が積もったらどれほど秀麗だろうか。
山形神室の美しさを想像しながら山形自動車道を西に走った。
行程
ログ・YAMAP
山形神室岳ピストン / kuzumisawaさんのハマグリ山・山形神室岳・トンガリ山(宮城県柴田郡川崎町)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
装備
・スノーシュー・ストック・アイゼン(不使用)・ピッケル(不使用)
・ハードシェル・ソフトシェル
・水1.5L・行動食
・撮影装備一式
二口山塊・山形神室岳
08:30 関沢IC
男三人は昨日の疲れもあり、朝は遅めの集合を提案。8時半関沢ICでの集合となった。
関沢ICを降りると想像以上の車の数に驚かされた。
一昨年、関沢から雁戸山に向かった際には車など数えるほどもなかったというのに……。
晴れ間を求め、皆、北蔵王エリアに集合したのだろうか。
関沢から笹谷峠までは奥州街道と出羽街道を繋ぐ笹谷古道を歩く。
笹谷古道は南北朝から室町まで栄えた歴史ある古道だ。
今では冬期に笹谷峠までの道が通行止めになる際に登山道として使用されている。
09:50 笹谷峠
1時間強歩き笹谷峠に到着。
ここから北に向かえば「神室岳」、南に進めば「雁戸山」「有耶無耶関跡」に辿り着く。
今回は北の神室岳に向かう。その前に大関山の南斜面を200m登らなくてはならない。
笹谷峠には斎藤茂吉の歌碑もあるので、是非立ち寄ってみてほしい。
『ふた國の 生きのたづきの あひかよふ この峠路を 愛しむわれは』
10:15 大関山
大関山まで登ってしまえば後は絶景の稜線歩き。
西には山形盆地、東には仙台平野、北には二口峠へ繋がる白の稜線が続く。
風もなく、青空が広がる絶好の雪山日和だ。
10:50 ハマグリ山
大関山から少し歩くとハマグリ山だ。
先の稜線を眺めると「トンガリ山」、その先に「山形神室」が聳える。
本日の目的地はあそこだ。想像以上に歯ごたえがありそうなアップダウンが見える。
「山形神室」から続く稜線の先に見える背ビレのような形をした「仙台神室」。
「神室岳」といえばこちらの仙台神室を指すことが多い。
なかなかに特徴的な形をしている。山頂直下はかなりの斜度になっている。
11:12 トンガリ山
一度鞍部まで降り、さらに標高を上げる。少し風と雪が出てきた無事トンガリ山到着。
山形側から吹く風に背を向け、小休止を取った。山形神室まではもうすぐだ。
トンガリ山を越えると雪深くなってきた。「エビのしっぽ」も出てきた。夜間の稜線での風の強さを伺い知れる。
山形神室は均整が取れた三角錐形を成しており、遠くからでもピークがよく目立つ。
この急登を登れば山形神室だ。
12:00 山形神室岳山頂
昼過ぎに山形神室山頂。このころには風と雪が強くなり始めていた。
山形神室からは二口山塊の山々、特に大東岳がよく見える。
雪も出てきたことから、山頂では長居したくなかったため15分ほど休憩し下山。
下山ルートは往路のピストン。
稜線はアップダウンが多かったため、下りでも汗をかくはめになった。
大関山の南斜面はシリセードで200m一気に標高を下げる。
笹谷峠からは退屈な旧道歩き、約2時間で関沢まで戻る。
14:13 関沢IC
駐車場に戻ると車の数はかなり減っていた。
山形神室にも確かに人はいたがそこまで多くなかったように思える。
雁戸山、北蔵王にもかなりの登山客がいたようだ。
その後、近くの温泉に立ち寄り汗を流した後、仙台に戻る。
夏に一度歩いたことがあるルートを真冬に歩くことで一層発見があった。
冬山は滝に行けない季節の暇つぶしみたいなところもあるが、やはり夏でも冬でも山歩きは楽しい。
冬道しか歩いたことが無いような山もあるので、夏に歩いてみたいとも思うが、夏は滝に行っているのでなかなか一般道での山登りには時間が取れない......。
ようやっと滝の季節が近づいてきた。
雪解けが待ち遠しい。