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2022年5月3日~4日 大杉谷・七ツ釜滝
大杉谷
三重県中西部、宮川の上流にある谷。大台ヶ原山系の最高峰日出ヶ岳 (ひでがたけ) の北東斜面に深く刻まれたV字谷で吉野熊野国立公園区域の一部。約7キロメートルにわたって原生林に覆われた急崖 の底に豪快な滝と深い淵 、激流が続く。千尋 (せんぴろ) 滝(落差200メートル)のほか多数の滝、平等嵓 (びょうどうぐら) など100メートルを超える岩壁、20近い吊橋 などその景観とスリルは圧巻である。大杉谷林間キャンプ村などもある。
第三紀以来の陸地で、しかも神宮林、国有林として保護されてきたため、わが国では貴重な原生林が広く残っている。植物の種類も豊富で、垂直的には亜熱帯から亜寒帯まで、水平的には満州‐朝鮮温帯亜区系から寒地系まで、日本列島の主要植物分布を網羅している。JR紀勢本線三瀬谷駅から大杉まで町営バスの便がある。中・上級登山コース。
"大杉谷", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-05-22)
百名瀑の中でも難瀑と言われる滝が数本ある。
百名瀑巡りでそんな2本の難瀑が残ってしまっていた。紀伊半島に流れる「七ツ釜滝」と「双門の滝」だ。
あと3本までに迫った私の百名瀑巡りだがこの2本を残して呪いは解けないため訪瀑するしか選択肢はない。
滝王国「紀伊半島」に流れるラスボス級の2本の名瀑。
「七ツ釜滝」は百名瀑の中でも珍しい1泊以上必要な滝だ(日帰りも可能)。
日本三大渓谷に数えられる大杉谷の深部に流れており、秘境中の秘境に落ちる名瀑だ。
「双門の滝」は関西の一般登山道の中では最難と呼び声の高い「弥山双門ルート」から眺めることが出来る。
狭隘な崖に架けられているハシゴをひたすら登ることで辿り着くことが出来る秘瀑だ。
どちらの滝も難瀑だが、特に双門の滝は遭難のリスクもあるので注意が必要。
まさに百名瀑巡りのラストダンジョン。
十分な準備を整え2022年のGWを迎えた。
行程(1日目)
ログ・YAMAP(1~2日目)
大杉谷から大台ケ原 / kuzumisawaさんの日出ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
前日まで
今回の旅の行程は以下の通りだ。
5月3日 大杉谷から桃ノ木小屋まで
5月4日 桃ノ木小屋から大台ケ原
5月5日 双門の滝アタック
6日以降は天気次第として、早足で七ツ釜滝と双門の滝の2本を訪瀑する予定になる。
七ツ釜滝を日帰りにしてしまう案も考えたが、撮影の時間が十分に撮れなさそうだなと思い桃ノ木小屋を使った一泊二日の行程にした。
大台ケ原から大和八木まで下った後はレンタカーを借り、翌日の双門の滝アタックのため弥山近くの道の駅で仮眠を取る。
荷物を八木駅にデポすることも考えたが、まぁなんとかなるだろうと甘い考えの下、全てをザックにぶち込み大杉谷を歩き通すこととなった。
結局、自分の甘い考えを後悔しながら大杉谷から大台ケ原まで登り続けたので、私と同じ行程で訪瀑する方はどこかに荷物をあらかじめ送り分散させることをオススメする…。
装備(大杉谷・双門の滝・車中泊分)
- 寝袋(モンベル#3)
- エアーマット
- 代えの服(2セット)
- 雨具上下
- 沢靴
- 傘
- エマージェンシーセット
- チェーンスパイク
- ザックカバー
- 一眼カメラ&バッテリー等
- コンパクトカメラ
- Gopro7
- 三脚
- 広角レンズ&角型フィルター
2022年5月3日 大杉谷
08:00 名古屋駅発
前日の仕事終わりに新幹線に飛び乗り、GW最初の朝は名古屋で迎えた。
いつも滝巡りの遠征ではレンタカーを多用しているが、今回は大杉谷から大台ケ原まで抜ける予定なので珍しく公共交通での移動となる。
大杉谷登山口までは三瀬谷駅から「大杉渓谷登山バス」が出ている。
ネット予約が必要なので桃ノ木小屋の予定を取る前に予約を取っておこう。
8時発の南紀1号で大杉谷の玄関口「三瀬谷駅」まで移動する。
09:47 三瀬谷駅からバスで大杉谷へ
おそらく大杉谷へ向かうであろう登山者を乗せて南紀1号は三瀬谷駅に到着した。
そのまま大杉渓谷バスの予約を確認され3台のバスに振り分けられてゆく。
南紀の深部に到着してしまったようだ。
バスの乗ってしばらくすると携帯の電波もうまく拾えなくなってきた。
ここから2日間は電波の届かない大杉谷の底を歩くことになる。
11:47 大台ケ原登山口(大杉谷側)
1時間半ほどで大杉谷登山口に到着。大台ケ原までは15km。2日間の行程を考えると少し怖気づいてしまう。
しかし荷物が重い…。ザックを実際に担いでみるとこれは失敗だったなと後悔が肩にのしかかる。
歩いて入れば慣れるだろうと自分に言い聞かせ大杉谷へ向かう。
いきなり現れた黒部峡谷・下ノ廊下のような断崖絶壁。
自分が思い描いていた「大杉谷」に出会うことが出来、ワクワクが止まらない。
眼下に流れる宮川の水の透明度に紀伊半島にいることを実感しながら右岸左岸を橋で渡りながら進む。
形状:分岐瀑
水系:宮川水系
一番最初に現れたのが落差135mの巨瀑「千尋(せんぴろ)の滝」だ。
下部は樹林に覆われており、その全貌を拝むことはできないが、谷底から眺めるとはるか天空から落ちてきたように見えるほどの大きさだ。
谷に差し込んだ光を受け流身が煌めいている。
千尋の名前もいいが、別名の「天空の滝」も名が体を表しているようで気に入っている。
千尋の滝を後にし先に進む。
渓谷の屈曲部の先で休憩を取る人が見えてきた。
あそこがシシ淵かと気づき自然と早足になり笑顔で近寄る。
14:27 シシ淵とニコニコ滝
大杉谷の顔「シシ淵」に到着した。
大杉谷を調べるとこのシシ淵がよくピックアップされているので、この光景を見たことある人は多いだろう。
確かに淵の深い緑に斜光が落ち、奥に見えるニコニコ滝も幻想的に輝いている。
重い荷物を置き滝を眺めながら大休止を取る。
形状:段瀑
水系:宮川水系
シシ渕の左岸を登ってゆくと奥に見えていた「ニコニコ滝」が見えてきた。
独特な名前だが由来ははっきりとしないらしい。
上流の滝群も含め「ニコニコ滝」と呼ぶそうだ。
シシ淵を越え、ニコニコ滝を過ぎ、平等嵓を抜けたなら、本日の宿「桃ノ木小屋」がもうすぐだ。
この時はすでにザックの重みに負けてしまっており、こまめに休憩を取りながら少しずつ進んでいた。
今日は大して歩いていないはずなのに…。明日が思いやられる。
15:58 桃ノ木小屋到着
橋の先に見えたのが「桃ノ木小屋」だ。
渓谷に建てられたとは思えないほどの立派な山小屋に思える。
とりあえず明日のことは考えず1日歩き通した自分を褒めながら橋を渡り、この日のゴールテープを切った。
チェックインの手続きをし、本日の寝床まで案内をしていただいた。
中を歩くと外見より広く感じる小屋に驚いた。
小屋内を探検していると売店でビールが冷やされている。
買わなければ大杉谷にも失礼だろうとビールとおつまみを購入。
kindleで読書をしながら夕ご飯まで時間をつぶす。
桃ノ木小屋は要予約の山小屋です。
夕飯はカレーととんかつ。
腹が減りすぎていて写真を撮る前に一口食べてしまい食べかけの写真となってしまった。
きたない写真で申し訳ない。
カレーの御代わりは3回までとのありがたいお言葉を頂いたので腹いっぱい食べさせてもらった。
腹いっぱいにカレーを食べ、8時ごろには床に就いていただろうか。
明日に備え早めの就寝。
夜中トイレに起きた際に見えた谷底からの星空が忘れられない。
明日歩き通す活力を大杉谷から頂いた。
ついに明日は七ツ釜滝とのご対面だ。
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