![訪瀑日記 2021年 まとめ](https://kuzumisawa.com/wp-content/uploads/2021/12/2021表紙.jpg)
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2021年 訪瀑日記
今年で四年目になった年末の振り返り訪瀑記事。
2021年は全体的に「百名瀑」と「東北の秘瀑」を集中的に巡った年になった。
昨年から宿題として残っていた「九階の滝」も無事訪瀑できたので最低限の目標はクリアできたかな。
今年は単独で行ける滝も増え自信にもつながったので、このまま来年も挑戦的な訪瀑をしていきたい。
2021年の訪瀑を思い返しながら、2022年に繋げて行きたいと思う。
2020年・年末年始 マリユドゥの滝
2020年から2021年への年末年始は日本の南端「八重山諸島」で迎えた。
この遠征では百名瀑の一つ「マリユドゥの滝」を目的とし西表島へ飛んだ。
亜熱帯の原生林に流れる「カンピレーの滝」「マリユドゥの滝」は太鼓の自然の姿を残しており、日本の本土で見ることが出来る滝の姿とは一線を画していた。
西表島の秘瀑「マヤグスクの滝」は宿題として残してしまっているので再訪は必ずしたい。
![カンピレーの滝](https://kuzumisawa.com/wp-content/uploads/2021/02/20201231-DSC_5890.jpg)
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4月 早戸大滝
冬山のシーズンが終わり、やっと滝巡りの季節になった。
それでも東北の滝は未だに残雪に閉ざされているので雪の少ない関東への遠征からスタートした。
「早戸大滝」は2019年の台風の影響で林道が封鎖されており「秘瀑」になりかけてしまっている百名瀑だ。
崩壊した舗装路、土砂崩れの跡、崖に架けられた丸太橋。スリリングな訪瀑だったがその分滝壺から眺めた早戸大滝は特別なものになった。
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4月 日光・布引の滝
日光エリアは以前からよく訪れていたが、北の栗山方面は「三沢大滝」の訪瀑以来だった。
布引の滝は名瀑揃いの日光の中ではあまり知名度はないが、落差・規模・美しさではトップクラスに入るだろう。
姿の整った段瀑だがその落差は120mと東日本でも上位に入る大きさだ。
滝壺までの道は崩壊が進んでおり、この滝も時が経てば殆ど人が入らない秘瀑になってしまうかもしれない。
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5月 大蛇尾川西俣・ヤギ滝
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天気の悪いGWはなんとか晴れ間を探して栃木の大蛇尾川の沢登りに出かけた。
今後何度かご一緒させていただくことになる「渓さん」と初めてご一緒させて頂いた遡行になった。
結局天気は悪く西俣分岐の先まで歩いて、ピストンで帰ってきてしまった。
それでも大蛇尾川ブルーの美しさは印象的で今でも網膜に焼き付いている。
6月 小足沢大とウメコバ沢
毎年開催されているウメコバでの沢遊び。今年は4名での開催となった。
小足沢でプチキャニオリングを楽しみ、その後河原で大宴会。
翌日はウメコバ沢を詰めてから中倉尾根へ下山する一泊二日の行程だ。
小足沢大滝の勇壮な姿と前衛滝の懸垂下降はしびれた。
あまりキャニオリングや沢登りなどのアルパインには手を出していなかったが、これは病みつきになりそうだ。
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6月 赤滝・甲子八十八滝
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6月に入り東北地方の雪解けも進み、やっと東北にも滝巡りの季節がやってきた。
2021年は東北の秘瀑巡りも精力的に取り組んだ。
そんな中で私が一番に選んだのが福島・甲子八十八滝の「赤滝」である。
恐竜の背骨のような岩盤を持つ特徴的な段瀑で、その姿はオンリーワンと言っていいだろう。
下流には甲子八十八滝が流れており、様々な滝の姿を見ることもできる。
6月 七滝・焼切沢
滝の季節が始まれば、沢の季節も始まる。
Aさんに誘われてやってきたのは岩手山の麓に流れる焼切沢だ。
七滝の上流を詰めていく初心者向けのコースだが、ゴルジュに次ぐゴルジュで退屈しない沢登りになった。
硫黄が臭う沢を抜けた先に見えた岩手山も美しい。
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7月 九階の滝
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2021年の滝巡りの中で一番思い出深い訪瀑がこの九階の滝だ。
一人で挑戦するのに尻込みしてしまったので、渓さんをお誘いし挑戦に付き合っていただいた。
この日の天気はそこまで良くなかったものの、滝壺に到着した際に一気に雲が流れ、青空が広がった。
青空の下に流れる大スラブ滝「九階の滝」の姿は一生忘れないだろう。
アプローチで使った赤水沢も美しく、次に訪れるときは桃洞沢から赤水沢への周回コースを歩いてみたいと思う。
7月 御宝前大滝・層雲峡
「御宝前大滝」は船形山の廃登山道になっている沢コースを進んだ先に流れている。
落差は35mと小ぶりだが、滝壺に立つとその迫力に圧倒される。
層雲峡と名付けられた花崗岩の美しい沢も特徴的だった。
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7月 四国百名瀑巡り
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今年の夏休みは四国遠征。三泊四日の行程になった。
初日に四国入りし「大樽の滝」へ。二日目は「御来光の滝」と「雪輪の滝」のはしご。三日は「石鎚山登山」となった。
「御来光の滝」も「雪輪の滝」も想像以上の美しさだったが、ついでに寄った石鎚山と瀬戸内の海の美しさには驚いた。
これで三度目の四国上陸だったが、何度行っても四国の自然の豊かさは底知れない。
滝では「御来光の滝」が一番印象的だった。要塞のような滝の岩盤のゴツさは一級品だ。
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8月 大倉小滝
福島県吾妻山の深部に流れる秘瀑「大倉小滝」。
大倉小滝は端正な直瀑ながらも落差63mとかなりの規模を誇る。滝前に立つと爆風が飛沫を纏いながら襲ってくるほどだ。
東北にこれほどの規模の直瀑は珍しく、大変貴重訪瀑経験になった。
大倉小滝はもちろんだが、一切経山・鎌沼・谷地平と周辺には大変美しい景勝地が広がっているので、そちらも一緒に巡ってみるのもおススメする。
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9月 三階の滝
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森吉近辺に訪れる度に気になっていた三階の滝。今回は太平湖から遊覧船を使い小又峡にアプローチした。
小又峡の下部はナメと甌穴群が非常に美しい景観を作り出しており、目を飽きさせない。
三階の滝は小又峡を代表する滝で、流水に磨かれたスラブに、名前の通り三段の流身がバランスよく流れている。
九階の滝もそうだが、このエリアの滝は非常に美しいスラブを持っているのが特徴だ。
帰りに百名山の「八幡平」に寄ってから下山した。
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9月 アンモ浦の滝
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東北の秘瀑の中でも独特な立ち位置にいるのがこの「アンモ浦の滝」。
アンモ浦の滝自体は岩手県最大落差の滝としてよく知られているが、滝壺まで降りることが出来るのはあまり知られていない。
Twitterで滝壺まで降りられることを教えて頂いた時から気になっていたが、やっと挑戦することが出来た。
ガレのルンゼを下り1時間ほどで滝壺に着くも、やはり滝壺からは滝の全体を見ることは叶わない。
それでも誰もいない太平洋の入り江で波の音を聞きながら滝を眺めていた時間は忘れられない。
9月 赤岩滝・天女滝 奥日光
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日光からいろは坂を登り奥日光へ。奥日光の中でも秘瀑とされる「赤岩滝」と「天女滝」へ訪れた。
天女滝は天女の羽衣のような美しい流身を期待していたが、左岸の土砂崩れの影響で倒れた大木が流身を隠してしまっていた。
天女滝は期待も大きかった分、落胆も大きかった。「山は逃げない」なんてよく言われるが「滝や沢はよく逃げるよな」なんて思ってしまった。
帰路に寄った赤岩滝が素晴らしく、流身も岩盤も自分好みであったため、少し気持ちは持ち直せた。
気持ちが下がったり上がったりせわしない訪瀑になった。
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9月 霧降の滝
赤岩滝・天女滝の翌日は百名瀑の「霧降の滝」へ向かった。
観瀑台からは何度も眺めたことがある滝だが簡単に滝壺まで降りることが出来ると聞き単独で下降。
難所は特になく1時間で霧降の滝の下段に辿り着いた。
葛飾北斎の浮世絵でみた「下野黒髪山きりふりの滝」と同じ景色がそこにはあった。
下段を登攀で登れば上段の滝壺にも行けるようなので、次は上段にも挑戦してみたい。
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10月 尿前大滝・尿前沢
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2021年の沢登りの〆は焼石岳に流れる「尿前沢」となった。
3級という自分にはギリギリラインの難易度の遡行となったが、グループメンバーに引っ張ってもらい無事遡行することが出来た。
大ナメ区間や沢を抜けた後の紅葉の焼石岳の美しさは今までの沢登り経験の中でも一等素晴らしかった。
尿前大滝の大トラバースは生きた心地がしなかった…。もう少しクライミングが出来れば余裕をもって楽しめただろうか。
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10月 双竜の滝・七滝
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岩木山登山を目的とした半年ぶりの里帰り。
ついでに奥入瀬渓流の「双竜の滝」と秋田の百名瀑「七滝」にも寄り道してしまった。
どちらも何度も訪瀑したことのある滝だが、思い入れのある滝は何度訪れてもイイものだ。
その滝に訪れる度に思い出が増えてゆく。
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11月 明神滝・水尻滝
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年末の遠征はあれど、2021年の滝巡りの〆は森吉山の「明神滝」と「水尻滝」になった。
紅葉の盛りは少し過ぎて、水量も少なく、時期を外してしまったがそれでも両滝とも満足のいく美しさだった。
探せばまだまだ東北にも名瀑が残っているのだと、来シーズンへのイイ刺激になってくれた。
2021年、秋田、特に森吉エリアは頻回に通っていたので、2022年は山形を重点的に巡ってみようか。
2022年へ
2021年に巡った百名瀑は5本。合計で95本となった。
残りは「七ツ釜滝」「双門の滝」「壇鏡の滝」「数鹿流ヶ滝」「大川の滝」の5本だ。
いいかげんに2022年には「百名瀑巡りの呪い」を解きたいと思う。
東北エリアの秘瀑もある程度巡り、大きな目標であった「九階の滝」も訪瀑できたので、次なる目標をどうしようか思案中だ。
東北で訪瀑したい滝は「ひぐらしの滝」「朱滝」「鎧滝」、この3本がぱっと思い浮かんだ。
どれも沢登り要素の強い一泊二日以上の滝だ。
本格的にアルパインの勉強が必要になってきたのかもしれない。
また3月には冬期の百四丈滝の氷の滝壺も挑戦しようと思う。
いい加減、2冊目の本も作りたい。
動画作成も少しずつスキルアップしながら続けていきたい。
2022年の週末もまた忙しくなりそうだ…。
ではまた2022年で。
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