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2021年11月28日 五葉山
岩手県南東部、釜石市 (かまいしし) 、大船渡市 (おおふなとし) 、気仙郡 (けせんぐん) の境界にある山。標高1351メートル。北上高地の一部で、山頂部は高原状を呈し、三陸海岸の好展望所でもある。かつては仙台藩の「御用山」で、ヒノキ、ツガ、ツキなどを産し、その後「五葉山」と書くようになったと伝えられる。シカ、サル、カモシカなどの生息地でもあり、県立自然公園に指定され、公園全域が鳥獣保護区となっている。釜石、大船渡市からの登山道がある。
[川本忠平]"五葉山", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-12-07)
今回は北上高地の三百名山「五葉山」に登ってきた。
ルートは赤坂峠からピストンをする基本的なコースだ。
往復で4時間くらいなので雪山登山の慣らし運転には持って来いだろう。
稜線からから太平洋を眺めることが出来る展望は一見の価値はあると思う。
行程
ログ・YAMAP
五葉山ピストン / kuzumisawaさんの五葉山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
装備
・スノーシュー(※使わず)・ストック
・ハードシェル・ソフトシェル
・水1.5L・行動食
・撮影装備一式
五葉山ピストン
08:50 赤坂峠
赤坂峠の登山口に到着。本日はここからピストンで山頂を目指す予定だ。
まだまだ麓は秋山だが、すっと顔を出す五葉山は完全に冬山の装いになっている。
必要だとは思わないが「アイゼン」「スノーシュー」をザックに詰め込み出発する。
年末年始、赤坂峠までは登って来れるので石楠花荘で年を越し、太平洋から昇る初日の出を拝みに登ってくる人も多いそうだ。
たしかに五葉山は初日の出を眺めるには絶好のポイントだろう。
登山口では雪も視界の端に映る程度だったが、少し標高を上げるとゆきが目立つようになってきた。
09:40 賽の河原
賽の河原まで登って来ると五葉山の西「黒岩ピーク」がくっきりと見えてきた。
そこまで積もってはなさそうだが霧氷はしっかりと育っているようだ。
賽の河原を抜けると雪もかなり多くなってきた。
トレースがあるので、つぼ足でも全く問題無いが三か所ほど滑りやすいところもあるので注意が必要だ。
白樺が霧氷を纏っており幻想的な風景を作り出している。
太陽光を受けキラキラと光る姿を見ることが出来、今回の山行に満足してしまった。
霧氷群をファインダーに収めながら石楠花荘へ向かって往く。
10:50 石楠花荘
石楠花荘が見えてきた。この小屋は薪ストーブがあるので冬でも暖かく、居心地がバツグンだった。
手入れも行き届いており、地元の山岳会の方たちの活動の賜物なのだろう。私も有難く暖を取らせてもらった。
標高は1300m程度だが樹林帯を抜け展望がよくなってきた。
振り返ると霧氷越しに三陸のリアス式海岸が見えてくる。
日本海を眺めながらの登山は「鳥海山」「岩木山」など何度か経験もあるが、これほど近くに見える太平洋はあまり経験がないので新鮮だ。
山頂直下は北上高地らしい隆起準高原が広がっている。
山頂が緩やかな高原状になっている姿は山形の月山のようだ。
尾根から吹き降ろす風に向かいながら山頂を目指すが、美しい雪原に気を取られなかなか前に進まない。
振り返ると五葉山の美しい稜線が続いている。
東西に延びる稜線は緩やかで、雪庇が発達しているような危うさはないが、ずっと眺めていられる優しい山容だ。
次に登るときは黒岩ピークまで稜線を歩く周回コースも歩こうと思う。
11:08 五葉山山頂
五葉山山頂に到着。稜線は風が強く、北風が体温を奪っていく。
山頂からは太平洋とリアス式海岸が一望できるが、北西は雲が多く岩手山・鳥海山を見ることは叶わなかった。
吹きさらしの中でシャッターを切るも、雲が多くなってきたので大人しく下山を開始する。
暖かそうな下界までさっさと下ってしまおう。
13:23 赤坂峠下山
途中で石楠花荘で体を暖めながらゆっくりと下山した。
やはり登山口は秋山の景色だ。さっきまで白銀の世界にいたのが嘘のようだ。
冬の西高東低の気圧配置のせいで奥羽山脈や東北の日本海側の山々はコンディションが悪く、どこか雪山登山の慣らし運転で行けるような山はないかと探していたが、五葉山は一つの正解だったのかもしれない。
長い休憩を入れても往復5時間で山頂ピストンが出来、途中には薪ストーブもある石楠花荘、山頂には隆起準高原が広がり、そして山頂からはリアス式海岸を一望できる。
どれも魅力あふれる五葉山の特徴だ。
雪山デビューの人を連れてゆくなら山形の「湯殿山」や「蔵王樹氷原」がいいだろうと思っていたが、この「五葉山」も候補の一つになるかもしれない。
次は夏にでも沢を歩いて、五葉山の魅力をさらに知りたいと思う。