大倉小滝と谷地平 ~福島県・猪苗代町~

 

大倉小滝

 

「今年の夏は雨と共にあった」

毎週末、連休とピンポイントで天気が悪くなるジメジメした日々が続いている2021年夏。

やっと週末が晴れそうだということで時間の空いた日曜日に滝に行くことにしました。

しかし体は本調子ではなく、あまりハードなところにはチャレンジ出来そうになかったので、家から近い「大倉小滝」へ向かうことに。

タイミングを逃し訪瀑出来ていなかった「大倉小滝」

63mもあるのに「小滝」とはこれ如何に?

 

久々に朝の澄んだ空気を吸いながら車で走る気持ち良さを思い出しながら、「浄土平」まで走ってゆきます。

 

そういえば2、3年前には「大倉小滝に行きたいなぁ」なんて思っていても、何か少し不安で一歩を踏み出せなかった私ですが、

今ではふらっと行けるようになったのは進歩があったのかな、と思います。

 

大倉小滝
 落差:63m
 形状:直瀑
 水系:阿賀野川水系
 所要時間:約3時間半
 アクセス ★★
 危険度  ★★★
 絶景度  ★★★★

ヒトコト滝MEMO

中吾妻山の東、大倉川の上流部に流れる直瀑が「大倉小滝」だ。
小滝の名前から分かるように、「大滝」もあり1km下流に流れているのだが、小滝の方が大滝より12mほど高い。
小滝の名前に似つかわしくない落差と水量を持ち、東北を代表する直瀑の一つ。
滝までは浄土平から登山道を使い3時間半ほどかかる。

行程

 

ログ・YAMAP

大倉小滝と谷地平 / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

装備

ハードシェル・登山靴

水2L・行動食

撮影装備一式

 

YOUTUBE

2021年8月29日 大倉小滝・谷地平

6:45 浄土平

浄土平は実は二度目。幕滝に行く途中で浄土平に立ち寄ったのがちょうど一年前。

大倉小滝の下見のつもりだったが、「一切経山」や「魔女の目」「浄土平」は想像以上に美しかった。

歩いてゆく家族連れが「日本じゃないみたい!」と話していたが、私はとても福島らしい風景だと思う。

木道が続く快走路を進み、大倉川を目指し往く。

 

↓一年前の記事

 

目の前に雄大な一切経山が広がる。

山の中腹からは噴煙が立ち上っている様が見える。

自然の力強さと美しさを感じる一枚が撮れた。

 

しばらくは木道を進み、吾妻連峰を遠く望みながらハイキングを楽しむ。

姥ヶ原の分岐で木道は途切れていて、快適なハイキングとはここでお別れ。

低木の合間を抜けながら駕篭山稲荷を目指す。

 

8:20 駕篭山稲荷

塩ビ管の鳥居が見えてきた。駕篭山稲荷に到着だ。

鳥居の前にザックを降ろし休憩を取る。

ここから大倉川までは300m以上下らなくてはならない。

帰りのことを考えると憂鬱だ…

 

9:15 大倉小滝への分岐

駕篭山稲荷から谷地平へ下ってゆくと、標高1,580m地点で分岐が出てくる。

踏み跡も不明瞭、案内の銅板も錆付いていて読めないが、ここが大倉川への分岐だ。

邪魔になりそうなストックとカメラをしまい藪の中へ突入する。

 

大倉川への下りはそこまで急だとは思わなかったが、人が入っていないのだろう、ところどころ踏み跡はヤブに覆われ跡形もなく消えていた。

地形図を見る限り大倉川へ繋がる道は一部の斜面以外は崖にぶち当たっている。

ルートミスをしないように慎重に道を探して進む。

藪の中にあるピンクテープを探す姿はさながら宝探しのようだった

 

10:05 大倉川

沢へ降りる最後の急斜面は枯沢を慎重に下る。

大倉川の上流に到着した。ここから大倉小滝までは目と鼻の先だ。

登山靴のまま膝上まで沢水に浸かりながらザブザブと進んでゆく。

夏はやっぱり「水遊び」

 

10:40 大倉小滝

DATA
落差:63m
形状:直瀑
水系:阿賀野川水系
所用時間:片道3時間半

大倉川上流に流れ落ちる「大倉小滝」。63mもの落差があるのに「小滝」という名前はしっくりこないが、このアンバランスさも魅力の一つ。

落口から一直線に、水煙を纏いながら滝壺に落ちていく流身が美しい。

岩盤に沿うように流れる形ではなく、勢いのままに空から落ちている直瀑は見ていて気持ちがいい。

 

渓谷に光が差し込み、流身に影が出来ている。百四丈の滝を思い出す。

「東北の百四丈」と言ってしまうのはさすがに言いすぎか…

しかしこれだけの見事な直瀑は久しぶりに見た。

ちなみに下流の大倉大滝は落差51m
名前、逆じゃねぇか?

 

飛沫は凄まじく、カメラを構えていると2秒でびしょびしょになる。

滝壺は浅そうにも深そうにも見えはっきりとしない。

今回は沢装備では来なかったので、腰まで浸かったところで引き返す。

滝に近づけそうで近づけず、もどかしさを感じる。

次は滝壺を泳いで何とか裏見をしてみたい

 

再訪を誓い登山道に戻る。

 

12:20 登山道復帰

川から急斜面を這い上がり登山道に復帰する。

最初の予定ではここからピストンで浄土平に戻ろうかとも考えていたが、それもちょっと寂しいなと思い始めた。

この道の先には「谷地平」があるはず。

せっかくなので寄り道してから帰ろうか

 

12:50 谷地平

ここは…なんだ? 天国か??

西には中吾妻山、北には烏帽子山、東には一切経山が見える。

真っすぐに伸びてゆく木道と広がる盆地状の湿原。これまで様々な山で湿原もいくつか歩いてきたが、この谷地平はその中でも一等素晴らしい。

人はおらず、湿原を走る風の音だけが聞こえる。

木道に寝そべり、少し休憩してから浄土平に戻ろう。

 

13:20 谷地平小屋

谷地平小屋はかなり整備されているようで、中も広く快適に過ごせそうだ。

この小屋を拠点に吾妻連峰を歩くのもいいのでは。

 

姥ヶ原から一切経山が見える。

やっと浄土平に戻って来れた。

 

14:30 鎌沼

浄土平で一番大きな湖沼である鎌沼が見えてきた。

以前も一切経山への登山道から眺めたことはあったが、湖畔を歩くのは初めてだ。

鎌沼の青さも美しいが、沼が雲と同じ高さにあることも驚きだ。

標高1,770m、ここは天空の楽園か。

 

吾妻小富士の爆裂火口が見えてきた。

あとは駐車場まで降るだけだ。

 

15:20 浄土平

浄土平に到着。寄り道を含め計8時間半の訪瀑になった。

浄土平までの磐梯吾妻スカイライン、一切経山、大倉小滝、谷地平、鎌沼、吾妻小富士。

目を奪うような美しい景勝が連続する行程で、一切ダレずに歩くことが出来た。

なんとなくで引いたルートだが、おススメなので是非晴れた日に試してほしい

 

大倉小滝は思った以上の落差で大興奮だった。

形も美しい直瀑で、なにより渓谷に光が差し込み、流身の影が出来ていたのがたまらなかった。

次回は真夏に来て、是非とも滝壺で泳いでみたい。

 

そろそろ家から日帰りで行ける滝のストックが少なくなってきた…
どうしたものか…

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

 

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