七ツ釜滝と大杉谷 ~三重県大台町~ 後編

 

2022年5月3日~4日 大杉谷・七ツ釜滝

大台ケ原

奈良・三重県境を南北に走る台高山脈の主峰。大和・紀伊・伊勢の三国にまたがることから、三国山・国見岳ともいう。標高一六九五メートル。古来修験者の修行道場で、経ヶ峯・不動返・千石・大蛇・中滝・西滝などの行場がある。山麓の奈良県吉野郡上北山村には、源平の争いや南北朝の戦いの落武者がすみつくことも多く、源頼朝におわれた義経がこの地を訪れたとか、南朝の皇胤が居を定めて、北山の宮と呼ばれたとの伝承がある。明治四十年(一九〇七)木曾御岳行者古川嵩の手により山頂に神習教大台ヶ原教会が設立された。また昭和三十六年(一九六一)にはドライブウェーが完成し、多数の信者や観光客でにぎわっている。

"おおだいがはらさん【大台ヶ原山】", 国史大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-05-25)

 

↓前日の記事

 

紀伊半島滝巡り遠征も2日目。大杉谷の桃ノ木小屋で目を覚ました。

この日は七ツ釜滝を訪瀑し、大杉谷を抜け大台ケ原へ向かう。

初日よりも長く険しい道のりだが、起きた時には疲労はそこまで感じていなかった。

荷物は相も変わらず重く背中にのしかかるが、何とか日出ヶ岳までは歩けそうだ。

 

 

行程

 

ログ・YAMAP

大杉谷から大台ケ原 / kuzumisawaさんの日出ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

 

装備(大杉谷・双門の滝・車中泊分)

  • 寝袋(モンベル#3)
  • エアーマット
  • 代えの服(2セット)
  • 雨具上下
  • 沢靴
  • エマージェンシーセット
  • チェーンスパイク
  • ザックカバー
  • 一眼カメラ&バッテリー等
  • コンパクトカメラ
  • Gopro7
  • 三脚
  • 広角レンズ&角型フィルター

2022年5月4日 大杉谷から大台ケ原へ

05:30 起床

窓から差し込む朝日に叩き起こされ起床。

寝ぼけまなこで朝ご飯を受け取る行列に並ぶ。

白飯を一度お代わりし卵をぶっかけ完食。

 

06:20 桃ノ木小屋出発

ぞくぞくと出発する人たちを眺めながらゆっくり準備を整える。

大台ケ原からのバスは16時なのであまり急ぐ必要もないだろう。

6時20分、ようやく桃ノ木小屋を出発した。

 

出発してすぐに黒部の水平歩道のような光景が待ち構えていた。

一日目より二日目、下流より上流の方が渓谷も狭まり、いよいよ大杉谷の最深部に突入する。

 

06:50 七ツ釜滝

DATE
落差:150m
形状:段瀑
水系:宮川水系

数えきれないほどの滝が流れる大杉谷での顔と言える滝が二つある。「七ツ釜滝」と「堂倉滝」だ。

聳え立つ岩壁削りながら谷を深くし続ける落差80mの巨瀑。

展望台からは見えないが、ドローンで見ると上段に90度屈曲するようにもう一段滝が落ちていることが分かる。

砂岩に含まれるチャート層が作り出す芸術のような段瀑である。

深山幽谷の雰囲気を残す秘境の名瀑だ。

チャート

珪質の堆積岩の一つ。緻密で細かい石英からなる硬い岩石。ふつう乳白色で、含まれる不純物により赤・緑・灰色などのものもある。放散虫や珪質海綿・珪藻などが深海底に集積してできたものと考えられ、古くは石器の材料としても用いられた。現在は耐火れんがの原料とされる。角岩

"チャート", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-06-07)

 

七ツ釜を後にするとさらに道が険しくなってくる。

人がぎりぎり一人歩けるような足場を鎖を掴みながら進む。

なかなかに衝撃的な光景が続くので飽きることはない。

渓谷の造形美を十分に堪能できること請け合いだ。

 

07:50 光滝

支流から宮川本流に落ちる光(ひかり)滝

落差40mの分岐瀑だ。

岩壁を滑りながら落ちる姿が優美である。

登山道からはその横顔を覗くことが出来る。

 

08:05 隠滝

吊橋の裏から流身を覗かせているのは落差25mの隠滝

大杉谷側からなら見逃すことはないが、大台ケ原側からだと見逃す恐れがある。

名前通りの隠れ滝だ。

 

08:40 堂倉滝

DATE
落差:20m
形状:直瀑
水系:宮川水系

光滝を越え、隠滝を越え、遂に大杉谷最後の滝となってしまった。

幅広な流身は大杉谷の豊富な水量から来ているのか、流身から飛沫をまき散らし、谷へ差し込む光が乱反射している。

堂倉谷との出会いに流れる「堂倉滝」。七ツ釜滝と並んで大杉谷を代表する滝の一つだ。

堂倉滝の上流には連瀑帯とゴルジュが続いている。30m規模の大滝もあるようだ。

 

堂倉滝を後にし登山道を歩く。

ここからは大杉谷から抜け出すように日出ヶ岳に続く尾根道を登ってゆく。

谷の中は冷涼で太陽が出ていても軽く汗ばむくらいだったが、谷から離れてしまうと容赦ない初夏の暑さが襲い掛かる。

 

10:15 堂倉小屋

汗が顔を伝い顎から地面に落ちてゆく…。

急登を登った先に林道が見えてきた。栗谷小屋まで登った。

ただその時の自分には栗谷小屋に立ち寄る気力もなかったので堂倉小屋で小休止を取る。

登りになり、背負う荷物の重さがさらに恨めしくなる。

 

滝は見た、あとは大台ケ原に抜けるだけだ。と自分を励ましつつ歩く。

桃ノ木小屋で購入していたチマキを食べる。味は申し分ない。

漬物のしょっぱさが体に染みる。

 

山頂付近まではずっと景色が変わらず退屈な樹林帯歩きだった。

少しずつ植生が変わっているのは気づいていたが、それもなんとなくだ。

しかし1525m地点を越え一度傾斜が緩くなったあたりで、一気に景色が様変わりした。

昔、西の滝に訪瀑した記憶がよみがえる。

 

12:38 日出ヶ岳 山頂

堂倉滝より700m標高を上げ、遂に日出ヶ岳に到着だ。

空は抜けるように澄んでいて、雲一つないように見えた。

飲み水の量は問題無かったが、暑さで汗が止まらない。

観光客の中に混じりながら展望台の下で休ませてもらった。

ついに百名瀑の98本目まで訪瀑出来たのだと、実感が山頂でやっと湧いてきた。

 

日出ヶ岳から大台ケ原までは一時間のハイキングコース。

ぐるっと牛石ヶ原を回ろうかとも思ったが、そんな思いはすぐさま霧消した。

一刻も早く大台ケ原ビジターセンターで休憩したいという思いが強くなってゆく。

思っていたよりも大杉谷での2日間で消耗していたようだ。

 

13:38 大台ケ原ビジターセンター

あっという間に大杉谷ビジターセンターに到着。

今回の山行はここで終点だ。

登山靴を脱ぎ捨て、2日間耐えてくれた足をマッサージしつつ、購入したコーラを一気に呷る。

山行終わりでキンキンに冷えたコーラを飲める幸せを噛み締めつつ、この2日間を思い返す。

 

早く着いたのはいいが、大杉谷から降るには奈良交通のバスを待つしかない。

バスの出発は16時…。よし寝よう。

バス停の前で荷物を枕にして就寝…。

 

18:30 大和八木駅

後から知ったが大杉谷から観光バスで入山した人数を奈良観光はしっかり数えており、乗せれないなんてことがないようにバスを回していたらしい。

それならばバス停で待たずに少しぐるっと観光してきても良かったかなとも思ったが、終わってしまったことはしょうがない。

大台ケ原ビジターセンターから奈良の大和八木駅までは2時間半弱。

古代日本の中心地に到着だ。

ようやく文明があるところまで降りてきた。

このまま宿に入り就寝、といいたいところだが明日は遂に今回の旅の大目標「双門の滝」が私を待ち構えている。

レンタカーを借り、すぐに文明に別れを告げ、奈良の霊峰「弥山」に向かった。

 

橿原

奈良県北部の市。1956年畝傍(うねび),八木,今井の3町と鴨公(かもきみ),真菅,耳成(みみなし)の3村が合体,市制。大阪のベッドタウンとして人口が急増しており,12万5605(2010)は県下第2位である。市域の中・北部は奈良盆地の南端にあたる。日本の古代文化の一中心地で,大和三山として親しまれる耳成山,天香久(あまのかぐ)山,畝傍山があるのをはじめ,橿原遺跡,新沢(にいざわ)遺跡,丸山古墳,藤原宮(ふじわらのみや)跡,多数の陵墓など古代史跡が多い。商業の中心地である八木は,古くから交通の要地として発達し,近鉄大阪線と橿原線が交差するほか,JR桜井線と国道24号線が通る。飛鳥川を隔てて八木に対する今井は,かつて称念寺を中心とする寺内町として栄え,古い町並みをよく残している。畝傍山南麓の橿原神宮は参詣者が多く,神宮周辺には森林遊園,運動場,体育館,考古博物館などがあり,奈良盆地南部の文化,レクリエーションのセンターをなしている。

"橿原[市]", 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-06-07)

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

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