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白水沢
甲子山
福島県南部,西白河郡の村。人口1万9767(2010)。白河市の西に位置し,南は栃木県那須町に接する。那須火山帯に属する甲子(かつし)山の南東麓にひろがり,東流する阿武隈川が高原を深く開析して渓谷をつくる。第2次大戦中までは馬産地として知られた。上流の高原では酪農,下流の平地では稲作を中心とする農業が行われるが,近年工場の進出がめざましく,純農村から都市近郊農村に変わっている。特に白河市と隣接するうちの南部地区には,東北自動車道白河インターチェンジ,東北新幹線新白河駅が設置され,以前からのパルプに加え,精密機械,電子部品などの工場群が形成されている。西部の甲子高原は日光国立公園に属し,阿武隈渓谷の自然美に囲まれた甲子温泉郷や,新甲子温泉内の〈キョロロン村〉などの観光施設には多くの観光客が訪れる。スキー場,ゴルフ場があり,別荘地開発も盛んである。陸上自衛隊白河布引山演習場,農林水産省種畜牧場(現,独立行政法人家畜改良センター),県の福祉施設〈太陽の国〉がある。
"西郷[村]", 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-12-26)
朝に仙台で集合する前に車を壊してからの山行は精神に効く。
事故ではないのだが、何というか説明が難しく、大きなピタゴラスイッチ的な事件が起こりハスラーのバックドアに見事な穴をあけてしまった。
結局バックドアの修理代とピタゴラスイッチ側の修理代で計30万。
お手軽に白水沢を楽しむはずの休日の始まりにしては少々ハードなスタートとなってしまった。
世の中に白水沢の記事は個人ブログ、ヤマレコ、YAMAPに山のように存在するが、30万かかっている山行はないはずなので是非読んでほしい
今回のメンバーはいつもの後輩Hと、今回沢デビューのMくんの計3名だ。
沢デビューに連れて行くのならば「前川大滝沢」という選択肢もあったが、今年もう1回歩いているので別の沢を考える。
沢仲間からのアドバイスもあり、今回は福島県西郷村の甲子山に流れる白水沢を選んだ。
かなり初心者向けと聞いていたが、沢デビューで冒険する必要もないので白水沢はいいチョイスだったように思う。
白水沢、ほとんど歩くだけの簡単な沢かと思っていたが、想像以上に滝が多く初心者を連れながらでも登攀も楽しめる沢だった。
また「白水滝」や「衣紋滝」など美しい滝も現れ、滝好きにもうれしい沢といえるだろう。
そして何より渓相が美しい。
エメラルドグリーンに輝く釜は白水沢で一番の美しさだろう。
ヤブ漕ぎも少なく、甲子山の山頂までも楽に行けるコンパクトな沢ながらも満足度は高い。
東北で初心者を連れていくなら前川大滝沢一択かと思っていたが、白水沢も十分選択肢に入るだろう。
30万かける価値はさすがにないと思うが。
行程
ログ・YAMAP
白水沢 / kuzumisawaさんの甲子山(福島県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
YOUTUBE
装備
ハードシェル・沢靴(ラバー)
水1.5L・行動食
ハーネス・ガチャ類・ロープ
2023年9月24日 白水沢・衣紋滝
08:51 甲子山駐車場
朝から30万が吹っ飛ぶトラブルに見舞われながらも、心を強くもつことで何とか甲子山の駐車場にたどり着く。
想定以上に時間がかかってしまったが、白水沢はおそらく6時間~7時間ほどで下山できるはずなのでこの時間でもおそらく問題はないだろう。
このハスラーのバックドアを見てほしい。ほら、見事な穴が開いている。
白水沢へのアプローチは明瞭で、途中までは甲子山の登山道を使用する。
大黒屋の敷地内を足早に抜け、沢まで下りていくとあっという間に白水沢だ。
左手には堰堤が見える。こちらは阿武隈川本流。
この先には有名な「赤滝」が流れている。
09:25 白水沢入渓
堰堤を越えて白水沢へ入渓。沢登りが始まる。
気持ちのいいくらいの水の冷たさを足首に感じた。
連日の沢登りなので、今日くらいはゆったりとした沢登りを楽しもう。
09:29 白水滝
沢を進むと滝にぶち当たる。落差20m、白水滝だ。
一見、初心者にはこの滝は厳しいかと思ったが、右岸から落口に抜けられそうなラインが見えた。
後輩Hも、Mくんもホールドをうまく使い見事に白水滝を登っていく。
落差はあるのでロープを出してもよかったかもしれない。
その後も小滝が出てくるが難しいところはあまりない。
楽しみながら軽快に進んでゆく。
途中で現れたエメラルドグリーンに輝く釜が美しく、今でも白水沢を思い出す際はこの釜を最初に思い出してしまう。
本当に美しい釜だった。
09:49 衣紋滝
落差:25m
形状:直瀑
水系:阿武隈川水系
衣紋滝が行く手をふさぐ。落差25m、この沢で最大の滝だ。
ロープを出しても直登は難しいように見える。
右岸の踏み跡に気づければ楽に巻くことができる。
11:12 1100m分岐
支流を何本か越えてゆくと左俣と右俣の分岐に出た。
右俣も滝が連なっていて登攀的にも楽しめるようだが、本日は左俣に入る。
左俣出会の滝はヌメリがあり、岩も少しボロいので念のためロープを出す。
左俣に入っても水はしばらく枯れず、連続する小滝を楽しみながら標高を稼ぐことができる。
小滝も難しいところはなく沢登り初心者でも楽しめるだろう。
12:40 ヤブ漕ぎ開始
水が枯れ始めるとヤブが目立ってくる。
ただヤブもそれほど濃くはなく、高さも腰程度だ。
10本ほどヤブを漕いでゆくと甲子山の登山道に出た。
白水沢脱渓だ。
13:00 甲子山山頂
10分ほど登山道を歩き無事甲子山山頂にたどり着いた。
登山道に出てから、山頂直下の急登が一番キツく感じたが、山頂から眺める旭岳の眺望は格別だった。
標高1500mを超えると9月でも肌寒い。
少しずつ秋の気配を感じるとともに沢登りシーズンの終わりを意識してしまった。
15:00 下山
山頂からの下山路は驚くほど整っており、山頂から1時間強で下山できてしまった。
甲子温泉大黒屋の日帰り入浴はもう終わってしまっていたので、このまま仙台に帰ることに。
沢登りに夢中で忘れていたが、そういえば車に穴をあけていたのだった。
30万という大きい負債に頭を抱えながら、Mくんの沢デビューが無事に終わった。
叶うことならこのまま沢を来年以降も続けてほしいと思っていたが、どうやら後輩Hとこの次の週に前川大滝沢に行ってくれたようだ。
これで沢で遊んでくれる友人が一人増えてくれた。
それなら30万なんて安いくらいだ。
そう思うことにしよう。