海抜約0mからの白神岳 ~青森県・深浦~

 

2022年2月11日 白神岳

白神山地

青森・秋田県境の西部に広がる山地で,出羽山地を構成する五つの地塊山地のうち,最北端に位置する。北は岩木川水系上流諸河川ならびに中村川,赤石川,追良瀬(おいらせ)川などにより,また南は米代川水系諸河川により,それぞれ深く刻まれて起伏量の大きな壮年山地となっている。河川は断層線にほぼ沿って流れ,北西部では南北方向に深い谷が発達,南部では北東~南西および北西~南東に格子状に走る断層線に沿って谷が形成されている。大部分が新第三系中新統の凝灰岩,砂岩などからなる。最高峰向白神(むかいしらかみ)岳(1250m)のほか白神岳,田代岳,駒ヶ岳,二ッ森,陣場岳など,標高1000~1200mの山峰がほぼ東西方向の主稜線をかたちづくる。奥羽本線がトンネルで県境を越える矢立峠から日本海に面する海食崖まで,東西約60km,南北最大約40kmに及ぶこの山地は,南北方向の交通の大きな障害となっている。1982年から山地を越え青森県側と秋田県側を結ぶ青秋林道の建設が進められた。一方,一帯は日本最大のブナ原生林でもあり,その保全のための運動も活発である。1993年,世界自然遺産に登録された。また山地南部の秋田県側は秋田杉の産地としても知られる。

"白神山地", 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-03-12)

 

学生時代を過ごした青森県。

青森で過ごした4年間でやりたくても出来なかった目標を記した「青森の忘れ物リスト」というものがある。

社会人になってから何度か青森に戻りやりたいことを消化しているが、今回の登山もその一環。

今回の第一目標は青森の世界自然遺産・白神山地の「白神岳」への登頂だ。

渓さんとAさん。いつものメンバーで青森に向かう。

 

白神山地の最高峰は「向白神岳」になるが、向白神岳は白神山地世界遺産地域(核心地域)になっており、許可なしでは入山できないので今回は二百名山に選ばれている「白神岳」を登ることになった。

東北の中でも雪深い北西部での山登りだ。

秋田の能代に向かうにつれ、少しずつ路側帯の雪だまりが高くなってきた。

 

行程

 

ログ・YAMAP

厳冬期白神岳ピストン / kuzumisawaさんの白神岳蟶山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

装備

・スノーシュー・ストック・アイゼン(不使用)・ピッケル(不使用)

・ハードシェル・ソフトシェル

・水1.5L・行動食

・撮影装備一式

 

白神山地・白神岳

06:30 国道101号

白神岳

県西南部に位置する白神山地西部、深浦ふかうら町と岩崎いわさき村の境界にあり、標高一二三一・九メートル。正保二年(一六四五)の津軽郡之絵図に「しらかみの嶽」とみえ、隣接する向白神むかいしらかみ岳(一二四三メートル)・大峰おおみね岳(一〇一一メートル)なども含めた総称と思われる。

岩木山と姉妹であるという伝説があり、妹のほうが女ぶりがよかったので岩木山に登り、姉は白神岳の神になったという。このため今でも岩崎村辺りでは岩木山を下の神様とよぶ。

"しらかみだけ【白神岳】青森県:西津軽郡", 日本歴史地名大系, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-03-12)

夜中の内に仙台を出発し、能代に着いたのが4時頃だっただろうか。

能代から五能線と並走する国道101号を走り「白神岳登山口駅」へ。

一時間ほど仮眠を取ってから登山開始となった。

国道から登山口の手前まで車でも行けたかもしれないが、少し雪が深いようだったので国道101号からのスタート。

別パーティーの四駆のジムニーは1kmほど先の除雪終了地点まで進めたようだ。

スタート地点の標高は4m、ここから山頂まで高低差1200m以上の行程になる。

 

06:48 車終点

15分ほど歩き除雪の終了地点まで進んだ。

四駆であれば車はここまで進めるだろう。

スノーシューに履き替え先に進むと、樹林の合間から白神岳の主稜線がこちらを覗いていた。

あそこまで登らなくてはならないのか……。憂鬱だ……。

 

登山口に到着し、そのまましばらくは夏道を辿りながら進む。

蟶(まて)山までは夏道から逸れ、尾根道を選び登ってゆくのがセオリーらしい。

先人に従い蟶山の尾根をひたすら登ってゆく。

この尾根道、高低差が約550mある。この急登が今回のルートの核心ではないだろうか。

汗だくになりながら、足首上まで沈む雪を踏みしめながら、登る、登る……。

 

09:30 蟶山

約1時間ほど登りようやく蟶山に辿り着いた。

尾根道の途中でジムニーで来られていた方にお会いし、少し話が出来た。

やはり今年は雪が多いようで、白神岳には何回も登っているが例年ではこれほど積もらないようだ。

どうやら途中で一泊し天気がよければ明日の早朝に白神岳にアタックするようだ。

お互いの無事を祈り私達は先に出発した。

 

11:00 白神岳遠望

蟶山から先は少しアップダウンが続き、そこから一気に主稜線へ伸びる急尾根を歩く。

樹林帯を抜けると展望が良くなり、白神岳の主稜線が近くに見える。

白き神の名にふさわしい純白の稜線だ。

雲一つない高空に聳え立つ白神岳が目に焼き付く。

 

振り返ると眼下には大海が広がっている。

雪山と海の組み合わせは岩手の五葉山で体験したが、今回は太平洋ではなく日本海。

日本海の方が荒々しいイメージがあるが、この日本海は凪いでくれていた。

 

11:30 白神岳主稜線へ

主稜線へ続く尾根は急ではあるものの危険はなく、気持ちよく歩くことが出来た。

一部壁のような急登があるが、スノーシューでキックステップを作りながら登る。

もう少しクラストしていたらアイゼンに変えた方がよかっただろう。

一歩あるくたびに空に近づけたように感じる絶景尾根だ。

 

謎のスノーモンスターと2ショット。

これは何に雪が付着していたのだろうか?未だに謎だ……。

 

稜線から東の核心地域に目をやると「向白神岳」が威風堂々と構えている。

その後ろに見える、山頂だけ見えている山は「岩木山」だろうか。

白神岳から向白神岳越しに岩木山を眺める贅沢を味わっている。

 

12:00 白神岳主稜線

白神岳の主稜線は広く歩きやすい。

青空の下、快走稜線路を楽しんだ。

この稜線を繋いでいけば向白神岳に辿り着き、さらにそこから弘西林道まで歩くことが出来るようだ。

いつか白神山地の核心地域を含めた登山も計画してみたい。

 

12:15 白神岳山頂

白神岳、登頂。山頂に見える大きな小屋がトイレで、雪に埋もれているのが避難小屋だ。

山頂は頂上標もすべてが雪の下なのでこれといった目印もないが、とりあえず荷物を置いて寝転びながらコーラを呷る。

風もなく、暑くも寒くもない快適な山頂でボーっと日本海を眺めた。

白神山地は学生時代住んでいた弘前から遠く、なかなか訪れることが出来なかった。

弘西林道を走ったのは2015年頃だっただろうか。

天狗峠をMTBで下りながら眺めた白神岳を思い出した。

 

13:12 下山開始

名残惜しいが日が暮れるまでには車に戻りたいのでさっさとピストンで尾根を降りてゆく。

スノーシューでバッタバッタと急尾根をあっという間に下り切る。

蟶山の下りでスマートフォンをロストし、取りに戻るという無駄な時間もあったが日が暮れる前に登山口に戻れそうだ。

 

登山口からは退屈な林道歩き。

木間から漏れる夕日が印象的だった。

 

16:20 下山

3時間ほどで国道101号まで戻ることが出来、下山完了。

このあとは「八森いさりび温泉・湯っこランド」で汗を流し、能代でラーメンをすすり、仙台に戻った。

 

今回の山行で「青森の忘れ物リスト」をまた一つクリアできた。

今のことろ思いつくのは白神山地「白滝」と八甲田の樹氷くらいだろうか。

あと何度青森に帰ればいいのだろうか。

また弘前のマタギ飯が食べたくなった。

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

 

 

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