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目的地:シャチヒネリ滝(角館から東) 日時:2017年9月16日
ざっくりルート
・角館から国道46号を使い夏瀬温泉へ
・夏瀬温泉から林道を使い、堀内沢に入渓
・枝沢シャチアシ沢に入り、小滝を越えヒネリ滝到着
MAP01(夏瀬温泉からイワイ沢合流まで)
5:27 夏瀬温泉駐車場
さて今回私がどこにいるかといいますと秋田県は角館
そこから東に車を走らせたところにある夏瀬温泉の駐車場にいます
今日はこのスタート地点から東北でも有数の秘瀑「シャチヒネリ滝」に向かいます
葛見 さわ@滝壺にて一人@kuzumi_sawa仮眠とったら秋田に行きます
葛見 さわ@滝壺にて一人@kuzumi_sawaそろそろ出発しなくては
仕事終わりの仮眠から秋田へダッシュ
ねっむいなぁ!!!
ねっむいなぁ!!!!!
今回のシャチヒネリ滝アタックの主催者滝ぺいさん
滝ぺいさんは東北への出張のついでにシャチヒネリ滝を狙う計画を立てていて、私は今回のその計画に後乗りさせていただきました
ネットの記録では片道6時間の行程という記述もありましたので、日が暮れる前に帰ってこれるように早目の出発です
実のところ本来の予定では違う林道を使い取水堤までショートカットするはずでしたが、その林道が崩壊しており引き返しているため出発時間が大分押しています
少し焦りつつまずは主流堀内沢に向かいます
幸先が限りなく悪いです
そしてルートファインディング能力雑魚野郎だ
分岐に気づかず川沿いを歩いていました
分岐に気づいてさえいれば明瞭な踏み跡があったのですが…
ここでも時間を無駄遣いしてしまいます
時間貧乏の一団、さらに焦り判断力を消費いていきます
(アドバイス!堀内沢に入るまでピンクテープは無視しましょう!)
もっててよかったGPS
私もGPSの購入を考えてはいるのですが、スマフォのアプリでも十分な点と防水性の点で購入をためらっています
持っていた方がいいのはわかるのですが…
登山道へ復帰するために小沢をさかのぼります
ここで正規ルートに復帰
車の轍がありますが所々2016年の大雨で崩壊しており、夏瀬温泉からのルートしか使えないと思います
こんな林道がすぐ整備されるとは思いませんので
橋でもなく、川でもなくこれはなんだろう?
川床をコンクリートで盛り上げていて楽に渡渉ができます
この機構に名前などあるのでしょうか
今まで私が歩いた林道では見たことありませんでした
6:24 取水堤到着
一時間ほどで取水堤に到着
本来ならここまで車で行けるはずだというデータがありましたが、絶対車では来れませんね
完全に崩壊している場所が何か所かあり、まずもって不可能です
おとなしく夏瀬温泉から向かいましょう
帰りに温泉があると沢で冷やした体を癒せるので有難いですね~
(ちなみに夏瀬温泉は日帰りはやってません。救いはない)
6:34 堀内沢入渓
開けていて、流れも速くなく、深いところでも太ももほどの優良沢
ただ洪水で沢の流れが変わっていて、地形図と結構乖離がありました
余計に渡渉した印象です
ゴリゴリ進んでいきます
6:36 盗伐林道入り口
右岸にある林道を使わないと1時間以上ロスするという情報があったので必死に探している男たち
GPSと「シダ」が一面にある場所ということで当たりをつけています
おそらくここあたりですが、合っているのでしょうか
うっすらとした踏み跡が見えますでしょうか
私は見えません
けどあるのです
心で感じるのです
盗伐林道から堀内沢の一枚
堀内沢と並行に伸びる盗伐林道
正直なところ盗伐林道を使って時間の短縮になるかは微妙です
林道は荒れ放題で進みにくいところもあるし、入りは不明瞭
沢と並行なので距離もあまり変わらない
堀内沢の遡行はそんなにきつく無いと思うので、素直に沢を歩いたほうが早いのではないか疑惑が発生しています
どなたか検証してみてください
7:21 堀内沢復帰
細く暗い盗伐林道から明るい堀内沢へ戻り一息つきました
まだ太陽が昇っておらず、少し沢の寒さがきついですが薄く曇っている沢の姿も神秘的で好きです
ここからはシャチアシ沢へひたすらに遡行を続けます
今回の目的の「シャチヒネリ滝」とは「シャチアシ沢にあるヒネリ滝」のことで「シャチヒネリ滝」は通称であり、さらには「シャチ」とも呼ばれています
「シャチヒネリ」の響き…かっこいいなあ…(うっとり)
シャチアシ沢に向かうにつれて鉄砲水の痕跡が出てきました
少しずつ流木が増えてきました
川床が白く、沢がクリアブルーに見えます
堀内沢の瀞は本当に美しく、その美しさのため何度もダイブしてしまいました
暑さと長い行程のため頭がイッた説もあります
(堀内沢、長くて景色も変わらないのは本当にキツイ)
7:46 テン場到着
ここで大休止
対岸に平坦な場所があり、ここがテント場として設定されています
本日は日帰りなので使いませんが、いざという時には使うことも考えた方がいいかもしてないと往路では考えていました
日も出てきて体と頭がほてります
クールダウンのために沢に浸かりながら、バナナもぐもぐ、柿ピーぼりぼり
後はシャチアシ沢の合流から本格的な沢登りが始まります
(MAP02 テント場からシャチヒネリ滝まで)
8:12 出発
心拍も乳酸値もまだ上がってきてはいないので休憩はそこまでいらないとは思っていましたが、時間に少し余裕が出てきたためしっかり休憩をとります
やっと日もしっかり顔を出してて、沢まで熱を届けてくれるようになりました
GPSを見る限りシャチアシ沢はあと少し
堀内沢遡行します
8:20 シャチアシ沢F1高巻き
イワイ沢にも滝がありますがイワイ沢には寄らず、そのままシャチアシ沢へ
シャチアシ沢の出会いはそのままF1(Fall 1)になっているため、左岸のガレ場から巻きます
F1はかなりの落差があり、直登はかなり厳しいかと
F1の落ち口
左岸の岩が結構滑りやすくヒヤヒヤしましたが無事沢に合流
ここからF2・F3・F4と続き、シャチヒネリ滝です
ネットの情報ではF1から1時間以上かかっていた記録もあったので気合を入れ直します
8:29 F2
難所のF2
ここは左岸の草付きから巻きでクリアします
ここのためにチェーンスパイクを持ってきましたが、とりあえずの精神で突っ込んでみました
かなり滑りやすくヒヤっとするところもありましたが、四肢をフル活用して這いつくばり巻きます
先行の私が這いつくばって登ったことでだいぶルートが荒れたのでロープを垂らしてF2をクリアします
F2の高巻きのテラスにて
F2の落ち口からの一枚
かなりの高度です
8:48 F3
F3は巻くという情報もあったのですが、滝の写真を撮るために滝壺まで進むと新たなルートを見つけることができました
写真の右手の大岩の間から落ち口まで登ることができます
このルートで結構な短縮ができたと思います
ネットではこのF3の情報がそこまでなかったのですが、去年の鉄砲水でルートが変わったのでしょうか
大岩の下を這い上がる滝ぺい氏の一枚
ホールドもしっかりしているので、ここの登攀は問題ないでしょう
9:00 シャチヒネリ滝発見
F3を登りきると細かい水の流れる音が
顔を上げるとシャチヒネリ滝の上部が、木々の間から見えました
このスケールは東北でも有数の巨瀑
早く滝壺に行きたいがために足が速くなります
9:01 F4
写真で見ると難易度の高い滝には見えませんが、この滝に隠れている上段の滝が厄介なので右岸の棘付きヤブを巻きます
ここをクリアすると遂にシャチヒネリ滝とのご対面です
シャチヒネリ滝 落差100m 分岐瀑
f/9 0.6秒 ISO50
・形状:分岐瀑
・水系:雄物川水系
東北有数の秘瀑の一つ「シャチヒネリ滝」
名前のとおり左にひねられている流身が特徴的です
狭隘なシャチアシ沢に100m級の滝がかかっていることも驚きですが、滝の優美さも一級品
4時間ほどかけた甲斐があったというものです
困難な道のりだからこそこれほどまでに滝が美しく見えるのでしょうか
いや、シャチヒネリ滝はもっと下界にあれば、百名瀑にも選ばれていたとも思います
f/9 1/2秒 ISO50
滝壺は岩がむき出しで粗々しい印象でした
左のテラスはそこそこスペースがあるため、ここで滝を眺めながら小休止
スラっと切れ落ちるシャチヒネリ滝の流れを楽しみながらコンビニパンを食らいます
滝壺に一生いたい気持ちと、早く家に帰りたい気持ちがごちゃ混ぜになりながらシャッターを切ります
最下段からの一枚
漆黒の岩盤が蠱惑的です
f/71 1/200秒 ISO640
ヒネリの滝に満足した後は長い長い帰路が待っています
片道五時間という情報を鵜呑みにして往路は急ぎ進んでいましたが、結局4時間かからずにシャチヒネリ滝までの行程をこなせたので帰路はゆったり沢歩きを楽しみましょう
堀内沢まで戻り、ちょっと寄り道
イワイ沢のF1の滝を一枚
f/5.6 1/125 ISO640
シャチヒネリ滝には負けますが、なかなかの水量
勢いが良く、気持ちのいい滝でした
帰りはゆったり、瀞にダイブしたりと遊びながら川下へと流れていきます
ただはしゃいでたのもあり長い帰路にやられ、取水堤まで戻った時にはもうボロボロで精魂使い果たしたといった状態でした
しかし、心地よい疲労感に包まれながら沢を歩くのは沢屋の本懐であり、滝屋の使命ではないでしょうか
同行者の滝ぺいさんと次はどの滝に行こうかなどど語りながら歩いていると、ついに夏瀬温泉に到着
だいたい15時頃でしょうか
このまま温泉に入り帰ろうかなどどウキウキしていましたが、まったくもって浅はかな考えでした・・・
こういった山奥の温泉が日帰りをやっていないことなんて今まで何回もありました
その度に裏切られてきた私ですがまた愚かにも期待してしまいました
期待する方がバカなのです
もう二度と信用なんてしません
ではまた