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岩手山・七滝 焼切沢
今年も梅雨の季節が来てしまった。
毎年この時期は天気予報とにらめっこしながら週末の予定をウンウンとひねり出そうとするが、あまり良い計画が思いつかない。
そんなところにAさんから沢のお誘いが。
「岩手山の麓に流れる焼切沢」の遡行、七滝登山口からスタートし大地獄谷に抜けるルートだ。
沢も楽しめ、滝も楽しめる。私にぴったりの計画じゃないか!
今回は私とAさん、そしてAさんの職場の上司であるTさんの3人パーティー。
仙台から出発し西根ICを降り、八幡平市の七滝コース登山口に向かう。
ヒトコト滝MEMO
登山道の名前にも「七滝」の名前が付いており、岩手山を目指す登山客の足を止めてしまう名瀑だ
この日は七滝は沢登りのついでに寄ってみただけだったが、想像以上の水量に驚いてしまった
行程
- 8:30 七滝登山口
- 9:30 七滝
- 9:54 入渓
- 12:30 ゴルジュ5m滝
- 12:50 二俣
- 13:30 右俣15m滝
- 13:45 脱渓地点
- 14:05 大地獄谷
- 14:23 岩手山遠望
- 14:40 下山開始
- 16:10 下山終了
ログ・YAMAP
焼切沢遡行 / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
装備
ハードシェル・沢靴・チェーンスパイク
水2L・行動食
撮影装備一式
ハーネス・ガチャ類・ロープ(一切使わなかった)
YOUTUBE
2021年6月27日
8:30 七滝登山口
3時間弱で登山口に到着。早速入山の準備をする。
Tさんは今回が初めての沢登りになるので、ガチャ類の説明を一から聞いている。
今日の遡行区間で難しいところはそこまでないはずなので、おそらくロープも出さないだろうが一応1本は持って行った。
七滝までは登山コースをひたすら歩く。
木陰の中を歩くも、気温はかなり高いようで歩くたびに汗が湧き出てくる。
40分ほど歩くと七滝への看板が出てきた。
9:30 七滝
形状:直瀑
水系:北上川水系
岩手山焼切沢に流れる七滝。
水量は多く、落下の勢いのまま広がり流れ散る直瀑だ。
無骨な滝にも見えるが、岩盤の茶褐色や木々の深い緑、苔の明るい緑となかなかカラフルな滝だと思った。
水量も多ければ、風圧も凄い。火照った体に飛沫を叩きつけてくれて大変気持ちがいい。
横から眺めると一部が、岩盤にぶつかり跳ねているのが見える。
秋は紅葉が美しく、冬には凍結し氷瀑になるらしい。
9:54 入渓
登山道を戻り、滝の落口に向かう。
ちょうど焼切沢との合流地点に出ることが出来るので、ここから遡行を開始する。
滝の水量を見て少し怖気づいていたが、沢はそこまで増水はしていないようだ。
焼切沢の特色は何といってもこの茶褐色の沢床だろう。
沢水が口に入ると鉄の味がしてとにかく不味い…
沢の半分以上は狭隘なゴルジュが続いており、小滝が連続している。
まさに大自然のアスレチックと言ったところか。
溺れそうなほど深い釜もないので水流沿いを安心して進む。
すぐ隣に登山口が走っているので、もしもの時もすぐ撤退できるのもうれしい。
沢デビューのメンバーがいるならなおさらだ。
側壁には苔が生しているが、基本的にはフリクションも問題ない。
スライダーをしてみたり、ゴルジュを突っ張って突破してみたりと全く飽きが来ない渓相だ。
ジェット水流ゴルジュ!
前日の雨の影響だろうか、なかなか水量が多い。
ゴルジュ区間が多いので荒天時にはお勧めは出来ない沢だ。
12:30 ゴルジュ5m滝
ゴルジュのどん詰まりには姿の良き5m滝が待ち構えていた。
水量にビビッて巻いてしまおうかとも思ったが、結局左岸をへつって直登。
見た目よりも難しくはなかった。
Tさんも滝と格闘しながら直登!
本当にこの日が沢デビューなのか?と疑いたくなるほどの身のこなしだ。
12:50 二俣
しばらく歩くと二股が見えてきた。
左は「左保沢(地形図ではこの表記だが、現地の看板では左俣沢だった)」、右は大地獄谷に繋がる。
今日はせっかくなので大地獄谷を観光しようと話がまとまったので右俣に入る。
右俣に入った瞬間に沢の温度が上がったことに気づいた。
地形図で見た上流の温泉マークから湯が流れ込んでいるのだろうか。
沢も側壁に湯の華が残っていたりと完全に温泉沢となった。
硫化水素は大丈夫だろうか…?
13:30 右俣15m滝
登山道と合流する手前で待ち構えているのが15m(?)滝。
焼切沢ではかなり大きい滝だが、登ってくださいとばかりのステップがある。
左岸から取り付き、最後は流身を直登した。
この滝を越えれば大地獄谷が見えてくるはず。
最後の滝を乗り越えると沢の先に荒れた山肌が見えてきた。
きっとあれが大地獄谷だろう。
今日の沢旅ももう終わってしまう…
13:45 脱渓地点
分かりづらいだろうが、ここで登山道と合流する。
脱渓の喜びのまま装備を外し、持ってきていたコーラをみんなで飲み干す。
予定通りこのまま大地獄谷に向かおう。
岩手山の鼓動を感じる!
14:05 大地獄谷
大地獄谷に到着した。
現在も噴気活動が見られており、岩手山が現在も生きていることを感じることが出来る。
岩手山は東岩手山と西岩手山に分けることが出来、有史以来岩手山の噴火はほとんどが東岩手山体が、一度だけ西岩手山で爆発が起こった。
それがこの大地獄谷だ。
大正時代には火口もあり地熱で熱せられた湯が溜っていたらしい。
大地獄谷をさらに登る。
眼下に登ってきた焼切沢が、彼方には八幡平の稜線が見える。
14:23 岩手山遠望
御苗代湖まで行こうかという案もあったが帰りの時間を考えて、ここで引き返すことに。
岩手山の山頂が見えた。
ここから山頂までけっこうあるな…
14:40 下山開始
下山は七滝コースを使った。
左保沢との合流部で泥に足首まで嵌ったり、イケメンな黒倉山を眺めたりしながら下る。
登るのに4時間かかったはずなのだが、下りはあっという間だ。
これなら御苗代湖まで行っても良かったなぁ。
道はハイウエイかの如く歩きやすく、あっという間に登山口に着いた。
岩手山のアスレチック沢「焼切沢」の沢旅が終了。
16:10 下山終了
登山口に着くや否や、ボツボツと大粒の雨が降ってきた。
急いで装備を片し、靴を履き替え、着替えを急ぐ。
この日はとても充実した活動になった。
七滝は荒々しい流身と岩盤を持ち、焼切沢に入ろうとするモノを脅すかのようなプレッシャーを放っていたが、
岩手山を登るハイカーにとっては、火照った体を休ませる優しい滝なのだろう。
滝を越えると、ゴルジュ満載のアスレチック沢「焼切沢」を楽しめる。
沢登りの楽しいところだけを詰め込んだような欲張りな沢だった。
「滝」も「沢」両方楽しみたいのなら岩手山の焼切沢をオススメしたい。