Table of Contents
阿武隈川 甲子八十八滝 赤滝
東北も6月に入り、標高の低い沢は雪渓も溶けた今日この頃。
今回の滝巡りは福島県、三本槍山を水源とする阿武隈川本流に落ちる竜の背骨のような岩盤を持つ「赤滝」を目指します。
赤滝を含め、下流や枝沢に流れ落ちる滝群を甲子(かし)八十八滝とも呼ぶようです。
甲子八十八滝を楽しみに思いつつ、甲子温泉をスタートします。
全部の滝でしっかり撮影してたらもっとかかりそうだな…
ヒトコト滝MEMO
雌滝・雄滝・霧降滝・天狗滝等の名瀑が続く。
その中でも赤滝は滝ヤの中では一つ名の知れた存在で、特徴的なその恐竜の背骨のような岩盤はこの滝でしか見ることが出来ないものとなっている。
片道は3時間半~4時間ほど。
全部の滝で撮影していると、なかなか赤滝にたどり着かない…
行程
- 7:50 駐車スペース
- 8:48 阿武隈川本流
- 9:35 雌滝
- 9:50 雌滝高巻き
- 10:00 雄滝
- 11:10 天狗滝
- 11:30 霧降滝
- 11:45 赤滝
- 12:30 下山開始
- 14:36 駐車スペース
ログ
阿武隈川源流・赤滝 滝巡り / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
装備
ハードシェル・沢靴(フェルト)・チェーンスパイク
水1L・行動食
撮影装備一式(魚眼レンズ+角型フィルター)
MOVIE
2021年6月11日 甲子八十八滝・赤滝
7:50 駐車スペース
東北自動車道を白川ICで降り、国道289号を走り甲子温泉を目指す。
安心坂トンネルを抜けてすぐのところから坂を下り、駐車スペースに停車。
すでに何台か車が停めてある。釣り人だろうか?
2本の道があり片方が駐車スペースに繋がっていたので、沢に続いている道を歩く。
が、沢に出てしまうのはおかしい…
一旦戻ってみると駐車スペースの裏から林道が伸びていた。
アーチ橋の下を潜り先を急ぐ。
道は明瞭。ところどころにロープもついている。
一度間違って砂防ダムの前に出てしまった。
九十九を登り直し、砂防ダムの上に出た。
沢までの道にはトラロープが張ってある。
8:48 阿武隈川本流
2回のルートミスで少々タイムロス。
気持ちは逸るが体がついて行かない。
しょうがないのでゆっくりと沢を歩いていると、体調も戻ってきた。
雌滝に近づいていくと沢も狭くなる。
淵には立派な鎖が打ち付けられてる。
そこそこ人が入っている沢なのだろう。途中で釣り人も三人ほど見えた。
9:35 雌滝
本流を遡行していると初めに出会うことが出来るのがこの雌滝。
落差17mほどの直瀑である。
この滝を見た時、滝壺の青さに大変驚いた。
5月に行った大蛇尾も青かったがこちらも負けてはいない。
大蛇尾は透き通った青で、こちらは緑がかった青といったところだろうか。
GoProを滝壺に沈める。
右岸をへつって滝壺へ。
見事な裏見滝だ。
この滝で時間を使いすぎると赤滝まで4時間以上かかってしまうかもしれないので撮影は手早く切り上げる。
9:50 雌滝高巻き
雌滝手前の枝沢に鎖が付いているので、そこから雄滝へ高巻く。
枝沢から隣の尾根へ。
ここもトラロープ完備。
踏み跡を辿りさらに隣の細い尾根に乗る。
ここから雄滝へ下るが、ここもトラロープがある。
10:00 雄滝
雌滝とはまたタイプが違う勇壮な雄滝。
落差は50mとなかなかな落差だ。
ちなみに甲子八十八滝では最大の落差を誇る。
やはりこの雄滝も滝壺が青い。
やはり甲子八十八滝は「青」なのか!
飛沫が舞い上がり岩盤から滴り落ちている。
雄滝から巻道を戻り、雄滝との分岐まで戻り、そこから今度は雄滝を大きく巻く。
細尾根を登り、どんどん標高を上げてゆく。
高低差が緩くなる台地の手前からルンゼに入る。
ルンゼまではガレ場のトラバース。
ロープはあるが足を滑らせたら止まりそうもない…
ルンゼにもしっかりとしたロープが張られている。
ここからは尾根のピークをぐるっと巻くように続いてる踏み跡を辿り、天狗滝の前に出るように巻降りる。
ガレ場を横切り、踏み跡を進むと倒木のある尾根道が出てくるので、これを下る。
↑この高巻きは少し分かりづらいので一応地形図も載せておきます。
YAMAPにはGPSデータもあるのでそちらも参考にしていただければ。
11:10 天狗滝
間違ったルートを取ってしまったので泥壁をズルズルと降り、天狗滝の前に出ることが出来た。
雌滝・雄滝との違う分岐瀑。落差は上段下段合わせて30mほどだろうか。
荒々しい粒立った岩盤に細い糸のような流身が流れ落ちている。
上段と下段の間にちょこんと佇む岩が気になる。
天狗滝から本流に出れば、霧降滝と赤滝はすぐそこ。
この二股の右俣に霧降滝、左俣に赤滝が流れている。
霧降滝はもう見えてしまっているので、先に霧降滝へ向かう。
11:30 霧降滝
落差15mほどの分岐瀑。
落差を見れば小ぶりだが、水量は凄まじいの一言。
岩盤にぶつかり、流身を広げている姿が美しい。
滝の前に出ると飛沫がカメラを襲ってきた。
ミニサイズの不帰の滝のような印象を持った。
裏見もできるがまずビショビショになるのは覚悟しよう。
霧降滝の撮影を切り上げ、二股から今日のメイン「赤滝」へ向かう。
11:45 赤滝
形状:分岐瀑
水系:阿武隈川水系
一人で訪瀑してもあまり独り言を言うタイプではないが、赤滝に出会った時は思わず「すごっ…」と言ってしまった。
やはり一番に目を引くのは竜の背骨のような岩盤だ。
今まで様々な滝を巡ってきたが、この滝は初めて見るタイプだ。
異様な存在感を放ちながらも、滝全体と調和しているオンリーワンの岩盤だと思う。
その名の通り赤茶けた岩盤を滑り落ちる流身も美しい。
ちょうど太陽が滝と正対するように登っていたので、流身が白く飛び、岩体が陰になり撮影は大変だった。
少し雲があった方がよかったかもしれない。
ここまでピーカンに晴れてくれたのに贅沢なことを言っている自覚はあるが、それだけが残念だった。
12:30 下山開始
重い出目金レンズも担いできたので滝前で自撮り撮影。
45分ノンストップで撮影し、赤滝を後にする。
復路は往路の反省を生かし、尾根から雄滝を巻き、無事雌滝へ戻った。
14:36 駐車スペース
2時間強で駐車スペースに戻ってきた。
これにて甲子八十八滝訪瀑紀行は終了だ。
去年から狙っていた赤滝に行けたので大満足の週末になった。
「竜の背骨」や「ゴジラの背中」等と形容されていた赤滝、まさに怪物を思わせるような名瀑であった。
帰りに近くの「塔のへつり」に寄って、会津若松経由で仙台に戻った。
ある程度雪渓も溶けただろうし、東北の滝巡りもそろそろ解禁だろうか。
塔のへつり