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2020年9月20日 轟の滝
前回の記事の続きです
2日目の最後の滝は高知県香北町「轟の滝」になります。
四国の百名瀑には高知県の「轟の滝」と徳島県の「轟九十九滝」があり紛らわしいのですが、今回は高知県の「轟の滝」です。
高知県の中では一、二を争うほどの規模であり、観瀑台から眺めても素晴らしいのに滝壺にまで降りることが出来る良心的な名瀑。
ヒトコト滝MEMO
滝見台からの遠望も良いが、この滝の魅力は何といっても滝壺!
手前の岩盤を登り、三段目の滝壺を除くと寿命が3年は縮みます。
美しくもド迫力の豪瀑「轟の滝」でした。
MAP
龍王の滝~轟の滝
龍王の滝から国道32号で香美まで南下し、そのまま休憩なしで轟の滝に向かいます。
国道193号から物部川を渡り日比原川と並行する道をどんどん登っていきましょう。
ちなみにいつもの如く道は狭いです。
16:50 轟の滝駐車場
時間は17時前…
まだ空は明るいものの、日没も近づいてきました。
少し気持ちは焦りますね。
駐車場から少し歩くと展望台と観瀑台に続く階段が出てきます。
展望台からの写真は後でゆっくり撮ることにして、まずは滝壺の写真を撮りに行きましょう。
長い階段を下り、さらに奥へ奥へ進むと聞こえてくる滝音が大きくなってきました。
轟の滝に到着しました!!
17:00 轟の滝
形状:段瀑
水系:物部川水系
手前の岩場をよじ登ると、轟の滝の流身に近づくことが出来ます。
滝壺からは3段目と2段目の一部しか見えませんが、それでも轟の滝の勢いはすさまじく滝に相対しているだけで足がすくみそうになります。
美しく均一に磨き抜かれた砂岩の岩盤と流れ落ちる白布のような流身。
とても絵になる滝でした。
記念の滝前自撮り。
滝の飛沫が凄まじく長い時間撮影できなかったことが残念です…
こんな時間帯でも観光客はちらほら見えました。
こうやって滝と人を比べると轟の滝の大きさが伝わると思います。
この滝には「玉織姫伝説」という伝説が語り継がれています。
昔むかし、源氏の追補を逃れた平家一門は、ひそかに安徳天皇を奉じて、韮生に隠れ棲んだという。
そうした者の一人が余生を猪野々柚ノ木で送っていた。名を三太夫という。女房おてつ御前との間には、今年17 歳になる玉織姫がいた。姫は比類のない美貌と、母から譲り受けた類稀なる機織の術を身につけていた。
ある日、姫は機織の道具の一つを返そうと、松久保の村へ一人で出かけることとなった。17 年の歳月手塩にかけた姫との、これが永別になろうとは、見送るおてつ御前も誰も知る由がなかっただろう。 奥深き柚ノ木川の急流は轟の滝となって滝壺に激しく叩き入る。姫は最初の橋を渡ろうと足を掛けた。真藍の淵は気味悪く、橋は姫を乗せて奇妙な揺れが続く。漆黒の水底に二つの怪光が旋回しながら浮上したと見る瞬間、姫の身体は橋を離れた。
鈍い微かな音が飛瀑と轟音の中に消えたときには、既に姫の姿は水底に消えていた。乙女に恋をしては淵をうかがい出る大蛇の住むことを、土地の人々は語り伝えていたのである。
滝壺を覗くと背筋に嫌な汗が流れました…
こんなところに落ちたらひとたまりもありませんね…
日も暮れてきたので滝壺での撮影を切り上げて、観瀑台に戻りました。
17:20 観瀑台から
観瀑台に戻り遠望での撮影を開始。
滝壺から見ることが出来なかった一段目と二段目の流身が見えました。
調子よく落ちる三段のリズムと気品のある流身、そして周囲の緑。
観瀑台から眺めると改めてバランスの良い名瀑だということが分かります。
一段目と二段目、まったく違うタイプの滝壺がとても興味深いですね。
一段目の滝壺は岩盤を深く円形に抉っていて洞のようになっており、二段目の滝壺は真っ白にボイルしていて形も角ばっています。
轟の滝の造形美を堪能して本日の滝巡りは終了です。
翌日は轟九十九滝からのスタートになりますので、東に舵を取り車を走らせます。
日もどっぷり暮れてしまい、漆黒に中をひたすら走り海陽町まで移動。
最終日の滝巡りに備え床に着くのでした。