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谷川・オタキノ沢
谷川岳
水上町の西端、新潟との県境の三国山脈にある谷川連峰の盟峰。標高一九六三・二メートル。上信越高原国立公園に属する。谷川連峰は谷川岳を中心として、北および北東に一ノ倉岳(一九七四・二メートル)・茂倉岳(一九七七・九メートル)・武能岳(一七五九・六メートル)・蓬峠・七ッ小屋山(一六七四・七メートル)・清水峠・大烏帽子山(一八一九・六メートル)、南西にオジカ沢ノ頭・万太郎山(一九五四・一メートル)・仙ノ倉山(二〇二六・二メートル)・平標山(一九八三・七メートル)・三国山(一六三六・四メートル)・三国峠が続く。谷川岳は谷川富士ともよばれ、頂上部は二峰に分れる。(中略)
谷川連峰は第三紀層のグリーンタフ・石英閃緑岩・花崗岩・蛇紋岩などから構成され、多雨多雪地帯にあって浸食作用が強く、その結果岩石が露出し岩壁の多い複雑で険しい地形を呈する。とりわけ一ノ倉沢一帯の岩壁は壮大である。植生は日本海側多雪地帯のもので、標高七〇〇―一五〇〇メートルがブナ林、その上部は一七〇〇メートル辺りまでミヤマナラの群落である。稜線一帯にはチシマザサの草原が多く、谷川岳山頂はハイマツのなかにハクサンシャクナゲが群集。明治一九年(一八八六)牧野富太郎・矢田部良吉らの植物学者が入り、それ以後一六種の原産植物が発見されている。
"たにがわだけ【谷川岳】群馬県:利根郡", 日本歴史地名大系, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-08-31)
谷川岳。以前、冬期に宝川温泉から上州朝日岳に登るルートを歩いたことがある。
吹雪の夜が明け、朝日に照らされた谷川岳を稜線から眺めた時はその美しさに凄まじい衝撃を受けた。
今回はそんな谷川岳の沢に挑戦することになった。
万太郎谷に入渓し、オタキノ沢から茂倉新道へ詰め上がるコースだ。
万太郎谷には一の滝、オタキノ沢ではコロッセオ滝が待ち構える
初めての谷川の沢。
ワクワクが止まりません
行程
- 06:20 吾策新道登山口
- 06:48 万太郎谷
- 07:22 関越道通気塔
- 07:37 オキドウキョウの瀞
- 09:35 万太郎谷・一の滝
- 09:56 オタキノ沢
- 10:14 オタキノ沢20m滝
- 11:45 コロッセオ滝
- 12:37 V字ルンゼ
- 14:01 茂倉新道
- 14:46 矢場ノ頭
- 16:13 茂倉新道登山口
ログ・YAMAP
オタキノ沢 / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
YOUTUBE
装備
ハードシェル・沢靴(ラバー)
水1.5L・行動食
ハーネス・ガチャ類・ロープ(40m1本 ・30m1本)
2023年7月23日 万太郎谷~オタキノ沢
06:20 吾策新道登山口
土曜日の夜にポムチムと合流し、仙台から新潟まで。谷川はただひたすらに遠かった…。
何とかメンバーと合流し、車を一台「茂倉新道登山口」に回し、「吾策新道登山口」へ移動。
まずは万太郎谷へ向かう。
この日はいつものポムチムと、関東組の渓さん、たなさん。
そして今回初めましてになる「けるかすさん」の5人パーティーになった。
06:48 万太郎谷
万太郎谷の下部は花崗岩が発達しており、畳のように谷いっぱいに広がっている。
万太郎谷の下部は新生代の花崗閃緑岩に覆われている。
これが谷川の沢か、といちいち感動しながら写真を撮っていたので全然進まない。
入渓してすぐにこれ!
谷川の沢、期待以上です!
07:22 関越道通気塔
関越道
首都圏と上信越地方を結ぶ高速道路。管理は東日本高速道路。(中略)。新潟線は1985年(昭和60)10月、東京外環自動車道の三鷹市―練馬区間を除き全線開通し、東京―新潟市間が結ばれた。高崎市では北関東自動車道と接続する。上越線は、1999年(平成11)10月に全線開通した。新潟線の、群馬・新潟県境の谷川岳の下を抜ける関越トンネル(延長約11.1キロメートル)は、日本最長の道路トンネルである。2010年度(平成23)の平均利用台数は1日約20万台。
"関越自動車道", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-08-31)
万太郎谷を歩いていると、樹林から頭をヌッと出している人工物が出てきた。
どうやら関越道の通気塔らしい。
地形図で見るとたしかに関越道の近くを歩いていた。
沢の中でいきなり巨大な人工物と出会い驚いた。
07:37 オキドウキョウの瀞
岩盤の高さが目立ってきた。先を見ると瀞の先に小滝が見える。
これが「オキドウキョウの瀞」か。
右岸を見ると簡単に巻けそうだが、せっかくなので水線突破に挑戦という話にまとまった。
かなり楽しかったが、その分体力も消耗した。
ステミングからのファイト一発でなんとかクリア!
09:35 万太郎谷・一の滝
万太郎谷・一の滝。落差20mもある、万太郎谷の門番だ。
のっぺりとした岩肌が特徴的で人を寄せ付けないような雰囲気が滝から伝わってくる。
この上流に二の滝、三の滝と続いていくのだが、それはまた今度万太郎谷本流を詰めるときに残しておく。
ここはリードじゃんけんで勝利したたなさんがトップで登ってくれた。
下部はいいホールドが少ないのと、ヌメりに苦戦したが、上部は傾斜も寝ており安心して登ることが出来た。
序盤の3手くらいが一番嫌でした…
09:56 オタキノ沢
一の滝を越えると、オタキノ沢の出合はすぐそこだ。
なんと、出合から沢を見上げると詰め上がる稜線まで一望出来た。
オープンワールドのRPGのような解放感がある沢でした!
10:14 オタキノ沢20m滝
この日の第二関門は20mチムニー滝だ。
左岸の草付きから楽に登れそうだが、ここも直登しようと話し合いで決まった。
リードじゃんけんの勝者「渓さん」がリードでスルスルと登って行く。
自分はうまくジャミングが決まらず、途中まごまごしてしまったが何とか登頂。
滝を越えると、ナメが広がる天国のような光景が続いていた。
水も美しく、ナメもフリクションが効いて快適。ここまで頑張ったご褒美だろうか。
このナメはしばらく続いた。
11:45 コロッセオ滝
沢の先に異様な岩壁が見える。
崖をスプーンでくりぬいたように削られた岩壁、オタキノ沢の「コロッセオ滝」だ。
この場の雰囲気は写真でも動画でもうまく伝えられない。
実際にここに立ってみて、この滝の息が詰まりそうになるほどの威圧感を感じてほしい。
水流、左からコロッセオ滝の上段へ。
オタキノ沢、地形的にもかなり面白く、特にこのコロッセオは断トツでした!
コロッセオ滝を上部から見下ろす。
悪魔じみた造形だ。
上流では二俣に分かれるが、右俣はこれまた絶壁になっており登るのは難しそうだ。
左俣から稜線に向かう。
12:37 左俣へ
岩峰の裏の左俣から稜線を目指す。
小悪い滝も何本か出てきたので油断はできない。
時折、谷の中を風が駆けてゆくのが気持ちいい。
ヤブはそれほど濃くはなく、最後の10分くらいのヤブ漕ぎで稜線に出ることが出来た。
いつもこれくらいのヤブ漕ぎならいいのにと思わずにいられない…。
14:01 茂倉新道
無事、稜線に辿りついた。
あとは登山口まで下るだけだ。
下には関越道も見えている。
14:46 矢場ノ頭
アップダウンはいただけないが、稜線はしっかり整備されており歩きやすい。
あっという間に矢場ノ頭に辿り着いた。
谷川岳、まだピークハントできてないので、秋か冬あたりに行きたいですね
16:13 茂倉新道登山口
高度を下げていくと、どんどん気温が高くなってゆく。
沢にいたからわかっていなかったが、今日はこんなにも暑かったのか…。
途中、熱中症・脱水症になりそうな暑さだったが、茂倉新道登山口に降りて来られた。
駐車場で、頭から水をかぶる男たちを眺め下山完了。
レイヤリング失敗!!
一枚、下山用の服を持ってくるべきだった…
この後は土樽共同浴場の「岩の湯」で汗を流し、解散。
ポムチムと2人仙台まで5時間弱のドライブ。
仙台に辿り着いたのは夜10時、びっくりドンキーで腹を満たし、家へと帰る。
オタキノ沢、たしかに仙台から遠く、簡単に行こうかと思えるような沢ではなかったが
遠征した甲斐は十二分に感じられた沢だった。
気持ちのいいスラブ、それぞれ個性のある滝達。
素晴らしい一日になった。
次は万太郎谷を遡行したい。