裏那須の名渓・苦土川大沢左俣と40mスラブ滝 ~栃木県・那須~

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苦土川大沢・井戸沢の周回ルート

 

 

那須塩原市

栃木県北部にある市。2005年(平成17)、黒磯市 (くろいそし) 、那須郡塩原町、西那須野町が合併して成立。那須野原の北西部を占め、西側は高原 (たかはら) 山などの山岳地帯となっている。北部を那珂 (なか) 川、南部を箒 (ほうき) 川が流れる。JR東北新幹線、東北本線(宇都宮線)が通じる。黒磯駅と西那須野駅周辺が中心市街で、那須塩原駅前も開発が進んでいる。国道4号と400号沿いにも市街地が形成され、東北自動車道西那須野塩原、黒磯板室の各インターチェンジが設置されている。1885年(明治18)に那須疏水 (そすい) が開削されて以来、那須扇状地の開拓が進み、米作をはじめ、酪農、養豚、畑作が盛んになっている。上郷屋 (かみごうや) 、関谷、井口、赤田などの工業団地があり、タイヤ製造、機械、電気などの工場が進出している。また山間部には塩原温泉郷と板室温泉 (いたむろおんせん) があり、三斗小屋温泉 (さんどごやおんせん) も飛び地として当市に含まれている。もみじ谷大吊橋 (つりばし) のある箒川の渓谷、沼原湿原、千本松牧場、那須野が原公園などの観光名所のほか、竹井美術館、塩原もの語り館、箱の森プレイパーク、旧青木家那須別邸(国指定重要文化財)、那須野が原博物館などがある。百村本田 (もむらほんでん) に伝わる百村の百堂念仏舞は国の選択無形民俗文化財に指定されている。面積592.74平方キロメートル、人口11万5210(2020)。

"那須塩原(市)", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-07-29)

 

GWの南紀「栂谷」以来の沢登りはポムチムのお誘いで裏那須の「苦土川大沢」になった。

遡行記録では稜線からの下山が長いとのことであったが、そこを井戸沢を使いショートカットしていくというプランだ。

結果としてはそれが大正解!

距離は短いものの、滝が連続する登攀系の素晴らしい沢だった。

谷川のような素晴らしい景色が続き、ヤブ漕ぎもほとんどなく稜線へ詰め上がれる。下山も井戸沢で楽々。

私としてもかなりおススメしたい沢だ。

 

今回はポムチムサワグルイの2人との4人パーティー。

サワグルイの2人とは大沢川以来、一年ぶりだ。

楽しい沢登りになりそうだ

 

↓ポムチムの記事

2023.6.4 裏那須とは、那須連峰の主峰の西側に連なる三倉山・大倉山・流石山からなる小さな山塊であるが、北…
裏那須 苦土川 大沢左俣 - ポムチム

↓サワグルイの記事

明るく開けた爽快な沢。 見所が尽きない隠れた名渓。井戸沢を下降する周遊ルート。 那珂川水系 苦土川大沢左俣~井戸沢下降 
那須 苦土川大沢左俣|サワグルイ - サワグルイ

行程

 

ログ・YAMAP

苦土川大沢~井戸沢下降 周回ルート / kuzumisawaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

MOVIE

 

装備

ハードシェル・沢靴(ラバー)・沢靴(フェルト・予備)

水1.5L・行動食

ハーネス・ガチャ類・ロープ(40m1本 )

2023年6月4日 苦土川大沢~井戸沢下降

07:14 林道駐車スペース

 

那須のエリアにはあまり入ったことがなく、これで4回目くらいだろうか。

今日は茶臼岳の西、那珂川上流の深山ダム、そのまたさらに上流の「大沢」を詰めてゆき裏那須の稜線まで詰め上がる。

日が昇ると雲一つない青空。これは最高の沢登りになりそうだ。

ここでサワグルイの2人と合流し、那須の奥深くへ車を進ませる。

大沢の手前に車を置き、沢登りが始まった。

 

08:16 ゴーロ歩き

1時間弱はゴーロ歩き。まだ6月だが、うだるような暑さだ。

サワグルイの2人から海外遠征の話など聞きながら和気あいあいと進んでゆく。

海外遠征、ずっと前から言っていますがヨセミテには一度行きたい

 

08:31 F1

さらに進むと1本目の滝が見えてくる。さあ、ここからが滝の始まりだ。

1本目の滝は左岸が階段状になっているので難なく登れる。

しかし、想像以上にヌメりが強い。

ヌメリがあるとの事前情報があったのでフェルトの沢靴も予備で持ってきていたので、厳しいようだったら履き替えよう。

荷物が少ないならラバーとフェルトの二刀流がオススメ

 

 

08:38 20m滝・F2

F1を越えるとすぐにF2が見えてきた。

ゴツく威圧感のある滝だ。

この滝が前半の核心だった。

ロープを出し、ここはポムチムがリードで登ってゆく。

 

左壁のルンゼから登る。ルンゼをどん詰まりまで登ってゆくと、かなりボロい壁にぶつかるので、途中で滝へトラバースするのが正解のようだ。

ちなみに私が通っているボルダリングジムの先輩は流身右から登ったようだが、かなり厳しいとのことだった。

 

滝を巻き、沢に戻ると上流にはまた滝が見える。

滝と滝の距離が短く、中だるみのない沢だ!

樋状滝は流身右から楽に登れた。

 

終わりが来ない連瀑帯。

本当に素晴らしい。

暑いので積極的に流身近くを登ってゆこう

 

 

10:00 左俣分岐

二俣は左俣の方が開けており、見事なスラブ滝になっている。

右俣はすぐ屈曲しており先が見えない。左俣を登り、右俣を下るルートをとっているパーティーもいるようだ。

ここまで登って来るとヌメりはほとんどなくラバーソールが快適になる。

フェルトは持ってきたが結局最後まで使わなかった。

 

フリクションがバチバチの気持ちいいスラブ滝だった。

 

 

ポムチムもシュカさんも笑顔で登ってきた。

こんな天気でこの大沢を登れたら、こんな笑顔も不思議じゃない。

かく言う私も終始笑顔の沢登りだった

 

 

10:09 2段13m滝

出合のスラブ滝を越えると、13m2段の段瀑が現れた。

この滝もかっこよく気に入っているので、動画のサムネにもさせてもらった。

この滝は右からでも、左からでも簡単に登れる。

 

高度が上がっていくと岩場が目立つようになってきた。

難しいところはなく快適に登れるのがこの沢のいいところだ。

 

最上段は水流突破。

袖から冷水が背中に入り悶絶絶叫

 

 

10:29 40mスラブ滝

後半の核心部、40mスラブ滝だ。

ここのリードは譲ってもらい、私が登ることに。

ラバーのフリクションがバチバチに効き、ガバもスタンスも多くここも楽々登攀。

残置もあり、ありがたく使わせてもらった。

日が登り気温も高くなってきたが、風が南から背中を押すように吹いてきいたためそこまで暑さにはやられなかった。

ここから少しずつ水が枯れてゆくので、ここで十分に汲んでおくことをオススメする。

 

スラブ滝からはもう稜線まで詰め上がるだけ。

出てくるであろうヤブに怯えながら進んで行くが、なかなかヤブが出てこないまま標高を上げてゆく。

 

最後はヤブ漕ぎなしでいきなり草付きの斜面が現れ、そのまま稜線の登山道に出ることが出来た。

これにはパーティーメンバー全員がご満悦。

後ろに見えるのが朝の深山ダムで、その左に見えるのが沼ツ原調整池

ここは「世界有数の揚水式発電所の上池」だそうだ。

詳しいことはこちらから。

栃木県那須塩原市、那須岳(茶臼岳1915m)の西山麓、西ボッチ(1410.0m)との間にある高層湿原、沼ッ原湿原(ぬまっぱらしつげん)の南に隣接するダム湖が沼原調整池(標高1200m)。揚水式発電のための堤頂長1597mのアスファルト表面遮水壁型ロックフィルダムで、昭和48年の完成。
沼原調整池 - ニッポン旅マガジン

 

12:36 裏那須稜線

風の気持ちいい稜線を歩いてゆく。

遥か先に見えるのが茶臼岳。百名山の一つだ。

大倉山・流石山・三本槍岳を越えると茶臼岳の山頂に辿り着く。

このまま稜線を歩き下山することもできるが、今日は井戸沢を下降し入渓点に戻る。

 

昔の茶臼岳登山の記事はこちらから。

 

 

13:43 井戸沢下降

井戸沢はこのエリアでは一番有名といってもいい名渓だが、難所も特にないので下降向けの沢でもある。

ミニ米子沢とも呼ばれている沢だが、米子沢を歩いたことがないためピンとは来なかった。

1~2度懸垂下降が必要かとも思ったが結局ロープを出すことなく下降することが出来た。

 

 

井戸沢の大滝。落差は10m強くらいだろうか。

ここも左岸から小さく巻いて下ることが出来た。

 

14:45 下降終了

最後の堰堤まで下り、井戸沢の下降が終了

この堰堤の巻きが井戸沢で一番怖かったかもしれない…。

三斗小屋宿跡に出て、そのまま登山道を歩き車まで戻った。

この三斗小屋宿はかつての会津中街道の宿駅の跡とのこと。

この街道を使い過去3回の参勤交代が行われている歴史ある街道跡だった。

 

15:43 下山完了

40分ほどで車まで戻り下山完了。

久々と本格的な沢登りだったが、かなり楽しむことが出来た。

登攀系の沢が好きならこの沢をオススメしたい。

日帰り沢としてかなり秀逸な1本だった。

 

またこんな沢に出会いたい。
そう思わせる沢だった

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

 

 

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