尿前沢と焼石岳 ~岩手県・奥州市~

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尿前沢・焼石岳

 

ひさびさの本格的な沢登りは岩手県焼石岳に流れる尿前沢(しとまえ)だ。

バリバリ沢登りに勤しんでるAさんパーティーからのお誘いですが、弱い滝ヤの私には少し荷が重い、しかし尿前沢の美しい光景も気になる…

Aさんに足手まといになるかもしれませんがヨロシクお願いします!!と勢いでエントリーし、沢への覚悟を決める。

遡行Gは3級、私が行くことのできるギリギリのラインです。

無事に帰って来れることを祈りながら岩手に向かいます。

それにしても尿前沢から見上げる焼石岳は楽しみだ

 

焼石岳・尿前沢
標高:1,548m     アクセス:★★
山域:奥羽山脈     危険度 :★★★★★
都道府県:岩手県    絶景度 :★★★★
行動時間:10時間    遡行G :3級

ヒトコト沢MEMO

岩手県焼石岳の麓に流れる尿前沢。
この沢を遡行して焼石岳の山頂を目指す、遡行グレードでは3級に指定されているルートだ。
次々と現れる滝群と、山頂を眺めながら歩く大ナメが特徴的。
水も美しく、クリーム色のブルーが目立つ沢だ。
尿前大滝のトラバースは大変刺激的で、生きた心地がしませんでした…
登山道に出てからは焼石岳の紅葉を楽しみながらのハイキング。
行動時間たっぷり10時間で下山しました。

行程

 

ログ・YAMAP

尿前沢からの焼石岳 / kuzumisawaさんの焼石岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

装備

ハードシェル・沢靴(ラバー)

水1.5L・行動食

ハーネス・ガチャ類・ロープ(30m1本・40m1本)

撮影装備一式

 

MOVIE

 

2021年10月3日 尿前沢から焼石岳へ

06:40 中沼登山口

今回はいつものAさん、Tさんと九階の滝でお世話になった「渓さん」の4人パーティーだ。

仙台で合流し、焼石岳の中沼登山口まで移動する。

紅葉の時期なので少しは混んでるかな?なんて思っていましたが、駐車場は満車状態!紅葉時期の焼石岳を舐めておりました…

なんとか車を停め、さっそく尿前沢に向かいます。

 

07:15 尿前沢入渓

登山道を歩き、尿前沢まで移動し、いざ入渓!

ここから尿前沢の遡行がスタートする。

10月にも入り、少し肌寒くもなってきたが肌を突き刺すような寒さでもない。

我慢できんこともない

 

07:40 6m滝

万円沢出会の先に出てきた6m滝は流身右から登ってゆく。

ここから本格的に遡行がスタートする。

 

08:15 三ツ折の滝

DATA
落差:20m
形状:段瀑

小滝を越え、プチゴルジュを越えてゆくと最初に出てくるのがこの「三ツ折の滝」

ミルキーブルーの滝壺が「尿前沢に来たんだな…」と実感させられる。

 

三ツ折の滝は右岸から高巻、懸垂下降で沢に戻る。

 

08:43 12m二条滝

ゴルジュ区間を抜け、12m2条とご対面。

天気も良く、順光で光り輝く滝は素晴らしい!!

素晴らしさのあまりショーシャンク状態になる私。

この滝は左岸から小さく巻く。

 

08:54 尿前大滝

DATA
落差:35m
形状:分岐瀑

この滝が尿前沢で一番の落差を誇る「尿前大滝(仮称)」だ。

幅広の岩盤と大きく流身を広げた分岐瀑が尿前沢の特徴なのだろうか。

美しい滝壺があったので入らずにはいられない!!

10月の滝壺は寒い…

 

さあ、ここからがこの沢の核心部分。滝の落口までの40mトラバースだ。

下から眺めるとこんな感じのルートを取る。

怖すぎない??

 

右岸のガレルンゼからトラバース地点まで標高を上げる。

ロープを出してトラバースを開始。リードは渓さん。

平地を歩くようにスタスタを歩いて行ってしまう。40mロープいっぱい使ってトラバース終了。

ちなみに私は…

生きた心地がしませんでした…

 

トラバース終了点から落ち口へ下降。

流身左を直登し、無事に尿前大滝のトラバースが終了した。

尿前沢の一つ目の核心が終了。やっと一息つける…

 

渓相が少し穏やかになりました。

小滝の先には紅葉した焼石岳が見えます。

あまり沢から山頂が見えることが無いので少し不思議な光景だ。

山頂付近の紅葉は期待できそうです

 

10:40 7m幅広滝

小滝を越えてゆくと、7mほどの堰堤状の幅広滝が出現する。

この滝は直登できないので、左岸から巻く。

ロープで下降し落ち口に降りる。

そして、その先には…

 

11:00 大ナメ

尿前沢のハイライト「大ナメ」区間です。

広がる青空、降り注ぐ太陽、白く光る沢床!!

うーん、最高。

森吉の赤水沢のナメほどの規模ではないものの、尿前沢のナメはグリーンタフだろうか、床が白く、明るく健康的な印象です。

1kmくらい続いてほしいが、ナメの終わりが見えてきた。どん詰まりの夫婦滝、その左俣を遡行してゆく。

 

ロープを出し、左岸から登り、落口に向かいトラバースする。

ここもなかなかいやらしく注意が必要。

Aさんがリードし、草付きの少し寝ている斜面まで登る。

そこからはトラバースし落口へ。

ここもなかなかに生きた心地がしませんでした…

 

 

12:20 10m2条滝

夫婦滝を越えると、そこから先は滝天国。

3m、5m、10m規模の滝が連続して出現する。

夫婦滝の先からかなりヌメりが強くなるので、場所によってはタワシやチェーンスパイクがあると楽だと思う。

姿の良い10m2条滝は右壁から。沢ヤ達がスタスタと登ってゆくのを必死に追いかける。

高度感はあるがフリクションはしっかりしているので、ハラハラしつつも楽しく登ることが出来た。

 

12:49 10m段瀑

シャワーを浴びながら登る案もあったが、凍え死ぬ可能性があるので大人しく左岸巻き。

さすがに奥羽山脈の山奥で冷凍保存はされたくない。

足場がグズグズなのでチェーンスパイクがあった方がいいかも。

 

振り返ると金ヶ崎の街並みが!
けっこう登ってきたねぇ

 

 

ここまで登ってくれば、登山道まであと少し。

滝前で最後の休憩を取る。稜線に見える紅葉を期待しながら焼石岳を目指します。

 

13:50 尿前沢源流部

藪が多くなり、水流は少なくなってきた。

尿前沢の源頭部に辿り着いた。少しこのまま歩き、登山道に近づいたところで脱渓。

無事に尿前沢の遡行が終了した。

 

13:50 脱渓・焼石岳へ

脱渓するとそこは錦秋の焼石岳だった。

峰楓(ミネカエデ)だろうか、ところどころ紅に染まった山肌が美しい。

この時間だからか、人の気配がしない焼石岳を独り占めしながら進んでゆく。

お昼ぐらいにはすごい人の数だっただろうな

 

グラデーションが美しい。

先週登った三ツ石山を思い出しました。

 

風は少し強く、肌寒いが、そんなこと全然気にならないほどの絶景に心が躍る!

まさか紅葉時期の焼石岳がこんなに美しいとは!

 

14:30 焼石岳山頂

日本二百名山の一つ「焼石岳」に到着。

山頂からの景色は見事で、特になだらかな緑の山肌にオレンジ色が差してある景色は絶品。

風が強くなければ、あと1時間はこの風景を見ていたかった。

尿前沢を何とか登りぬいた私へのご褒美かな

 

14;50 下山開始

日も傾いてきたので、そろそろ下山することに。

「泉水沼」「上沼」「中沼」など大小合わせると数えきれないほどの湖沼群を通る。

それにしても本当に水が豊かな山ですね。

「銀名水」もキンキンで美味しかったし、この山で水に困ることはなさそうです。

ただ登山道にまで水が溢れているので、靴は半端ないほど汚れます…

 

16:50 下山完了

2時間ほどで下山完了。

朝の込み具合は幻覚だったのか、かなり寂しげな駐車場になっていました。

さくっと着替え、ずらかるように撤収し、風呂からの飯をキメ、仙台へ戻る。

これにて尿前沢遡行終了でございます。

 

前回の沢登りからはだいぶ時間が空いてしまっていたので、不安はありましたが、どうにか無事下山することが出来ました。

それもこれも全てパーティーのメンバーたちのおかげです。

やはり沢は怖いなあという気持ちとやはり沢は楽しいなあという気持ちが混ざり合っている不思議な気持ちです。

もっとクライミングの勉強をした方がいいんだろうな、と思い始めた今日この頃。

 

10月中旬から一気に冬のような寒さになってきたので、そろそろ今シーズンの滝巡りも終わりが見えてきました。

最後に何本か紅葉の綺麗な滝を見てから、区切りにしたいですね。

さて、次はどこに行こうか…

 

訪瀑MAP
今まで訪れた滝の一覧はGoogleMapでまとめております

 

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